大井川流域の索道・林用軌道 など中部圏の産業遺構史料調査&探索、趣味のボヤき

投稿頻度は多くありませんが、ゆっくり気長にお読み、お待ち頂けますと幸甚に存じます。

寸又の幻の温泉(湯山温泉場のこと)

2020-07-04 13:25:00 | 探索記録
かつて、寸又峡大間川に湯山温泉が有ったことはご存知だろうか。今では夢の吊橋や、大間ダムなどでその地名が有名になった今、寸又峡温泉の原点とも言えるその温泉場をご紹介。

大間ダム落成記念絵葉書より大間堰堤、その上流を望む。



まず先に寸又峡温泉の概要
寸又峡温泉は大間川上流湯山澤から湧出せるものを本川根町によって大間に3km余り引湯したものであります。
泉質は硫化水素系単純硫黄泉 43℃湯量毎分500L、なめらかな肌触りは美人の湯として珍重。
(国民宿舎パンフレットより抜粋)

※大鉄発行の寸又山荘パンフレットでは硫黄泉42℃、湯量毎分400Lとある。


全盛期の湯山温泉場


湯山集落は明治22年に林業の拠点として開発され、温泉として発足したのは31年のこと。
今の寸又峡温泉も大間川湯山から引湯(引湯管による送水)をしている。(37年に設備工事完了)
湯山温泉の由来は温泉噴出地の地名から由来する。

落成後の第二富士電力大間川吊橋(画像は初代、現在の飛龍橋にあたる。)


昭和初期の離村では、大村4戸、滝浪2戸、安竹、望月の8戸の移転が決定。何も小長井、大間、中川根地区に移転。(昭和11年国土地理院地形図に基く。)

最後に
寸又峡温泉の源泉も大間川湯山の湯という事を心の片隅に置いて頂き、心ゆくまで秘境寸又の温泉を愉しんで頂きたい。