白太郎、初勝利か？

白太郎（くん、くん）「むむっ。俺様の箱に、誰か勝手に入ってやがったなっ！」

あめちゃん「実は、あたし達が入ってたんでしゅ。」

　　　　　　　「箱に姉妹が入るくらいで、文句言わないで欲しいでしゅよね。」

虎子「尻の穴の小さい奴だよね・・・。」

白太郎「尻の穴？それは確か、プロレス養成所の事じゃ・・・。」

ROCK「それは虎の穴でしょ。度量が小さいって言われてるのっ！」

白太郎「まあいいさ。箱は取り返したんだからな。」

　　　　 「さて、お家の中から警備猫しよっかな。」

ROCK「それじゃあ、お外の様子分らないんじゃないの？」

白太郎「お、音で分かるもんっ！それと、匂いとか気配とかさっ！」

　　　　 「こうやって神経を研ぎ澄ませて聞いてれば、絶対に分かるんだっ！！」　

白太郎「おかしい・・・。な～んも聞こえんなぁ～・・・。」

　　　　 「おっ！御近所でご飯作り始めたなっ！！匂う、匂う♪♪♪」

白太郎「あ～、俺様腹減ってきたなぁ～っ・・・。」

ROCK（心の声）「神経を研ぎ澄ませるんじゃなかったっけ？」

白太郎「なーなー。ご飯の時間まだぁ～っ？」

ROCK「は、白太郎君っ。後ろ、後ろーーーっ!!!」

白太郎（バッ！）「何奴っ！」

ROCK「君、鈍過ぎるよ。人に言われてから反応してちゃ警備の意味無いでしょう・・・。」

ROCK「モシャシャ様いらっしゃい。毎日のパトロール御苦労様。」

　　　　 「カリカリ食べて行ってね。」

モシャシャ様「あら、白太郎さんじゃない。一匹遊びしてたの？」

白太郎「け、警備だよっ！」

モシャシャ様「お家の中から？戸も閉めてあるのに？」

白太郎（クルッ）「くそーっ！馬鹿にしやがってーっ！！」

　　　　　　　　　 「モッシャーなんて嫌いだーーーっ!!!」　

モシャシャ様「ふふんっ。まだまだ半猫・・・いえ、十分の一猫前ねぇ～っ。」

モシャシャ様「白太郎さん、いじけてないで一緒に食べません？」

白太郎「ライバルの施しなんぞ受けんっ！」

モシャシャ様「あらそう？美味しいわよ。」

白太郎（首ぐい～ん！）「ほ、ほんとかっ！」

モシャシャ様（チラッ）「あら？向こうに誰かいる？」

　　　　　　　  　　　　　「敵猫かしら？これでは御食事どころではありませんね・・・。」

ROCK（心の声）「モシャシャ様、白太郎にカリカリあげようとしてくれてる。ノリママみたいだ。」

白太郎「おっ！隙ありっ！！一口強奪してやるか。」

ROCK（心の声）「白太郎、分ってねーなー・・・。」

モシャシャ様「白太郎さん、パパに似てるのは、容姿と食いしん坊な所だけですわね・・・。」

モシャシャ様（カリ、ポリ・・・）「美味しいですわ?」

白太郎「おい、モッシャーッ！これを見ろっ！！」

　　　　 「俺様には、ROCKさん秘蔵のブレンド・カリカリがあるんだぜっ！」　

白太郎「シーバに銀のスプーンにモンプチ・・・」

　　　　 「超豪華なブレンド・カリカリなんだぜーっ☆」

モシャシャ様「あらまあ・・・。確かに美味しそうですわね。」

白太郎（上から目線）「くくく・・・。旨そうだろう～っ。特別に匂いだけ嗅がせてやろうっ！」

ROCK「こらーっ！意地悪言うんじゃありませんっ！！」

白太郎（カリ、カリッ）「勝ったっ！」

ROCK「何が勝っただ。お馬鹿猫ーっ！」

　　　　 「モシャシャ様ごめんね～。後でシーバオンリーでお代わりあげますね・・・。」