久し振りに海が荒れ,サラシ撃ちを狙って奥能登の外浦へ行くつもりでした。
しかし,息子の宿題の面倒を見ていたら出発が遅れ,コースを変えてまずは内浦に入ってから,夕まず目狙いで少しだけ外浦で勝負をすることにしました。
この日は西からの強風がまだ残っていたため,その西風を背にできるような場所を探しました。
護岸沿いに10分ほど歩き,山道を上り下りして,柿の木をくぐったところで海が見えました。
足元を見ると猪の足跡があり,猪も自分と同じような道を歩いていたのかと思うと少し可笑しくなりました。
さて,ウェーディングです。ひんやりとした感触から季節を感じます。
海は風を受けてやや波立っており,左から右へと流れています。
釣れそうな気配を感じましたが,今日は外浦メインのため,あくまでもここは釣れたら儲けものという気持ちでした。
干潮に向かっているせいかいつもより歩きやすく,ランガンが快適です。
ただポイントによっては,風を横から受けるため,ルアーを投げても目標の着水点から大きく反れることもありました。
30分ほど投げ歩き,ややあきらめの気持ちになりかけていた頃,すぐ目の前でヒットしました。
まさにルアーを回収しようとしていたところでしたので,息が止まるような驚きでした
しかし,驚いていたのも束の間
強烈な引きを感じるや否や,全身が海面から飛び出す豪快なエラ洗い
瑞々しい銀鱗の巨体にランカーを確信しました
エラ洗いからの着水の飛沫が思い切り顔にかかり,目が覚めました
飛沫が顔を伝って,顎から滴り落ちます
すぐさまロッドを横に倒します
しかし,ドラグ音が鳴り止まず,シーバスは沖に向かって猛烈に走り出します
ドラグを調整しながら徐々に寄せようとしますが,縦横無尽に走り回る大物に苦戦します
何度もロッドの先が海中に引き込まれました
しょっぱい唇をかみしめながら必死にロッドを抑えます
手前で一瞬動きが止まりました
そして,じわりと海中から浮上してくる感覚
これは
目の前で2度目のエラ洗い
しかし,その威力は初発のエラ洗いよりも半減しており,口にはルアーが入っています
これは外れることはないだろうと少し安堵しましたが,油断はできません
いよいよ力尽きたシーバスが,頭をこちらに向け泳いできます
右手を背中に伸ばし,ネットを構えます
そして,シーバスを迎えに行くように前へ進み,大きな頭をネットに入れます
フレームから,はみ出るほどの大物を見て,鼓動がなお速まりました
フレームを両手で握りしめ,持ち上げます
仕留めた
この重量感,文句なしのランカーです
サイレントアサシン99F
もはや神ルアー
数枚写真を撮り,すぐさま仲間へ転送
まさかのランカー出現にみんな驚いていました
さて,これはまだ続きそう
すぐにまた入水して,ランガンを始めます
ベイトは見えないのに・・
と思いながら歩き続け,先程と同じコースにルアーを通すとまたヒット
よもやよもや(煉獄風)
こんな目の前で2度もヒットするとは
シーバスが着いている根でもあるのか
そしてまた顔に力いっぱい飛沫を浴びます
しかし,先程よりも一回り小さく,勝負が決するのは早かったです
どうなってるの
今日は外浦行きはやめて,もうここで勝負だな
ランガン開始
時刻は17時前
夜のとばりが下り始め,雲間から差す陽光もだんだん弱くなってきました
すぐに帰るつもりだったのでライトを持っておらず,
もう終了かと思いかけていた時,遠投2巻きでハンドルに違和感
一瞬,沖で何かに引っ掛かったかと思いましたが,もちろんシーバスのヒット
戦闘開始のエラ洗い
これも大きい
随分沖で掛けたから,ここまで寄せるのに難儀すると思いましたが,これから始まる壮絶なファイトを想像し気持ちが高ぶります
瞬時にロッドを横に寝かせ,相手の出方を伺います
晩秋のシーバスもよく走ります
しかし,途中微動だに動かなくなりました
まさか根魚だったのかと不安になりましたが,先程エラ洗いをしたからそんなはずはないと思い直し,ロッドをやや立ててシーバスを動かします
あまり負荷を掛けないよう,時間をかけて少しずつ少しずつ寄せます
まさに一進一退とはこのこと
周囲にはそれほど障害物もないため,向こうペースでも問題ありません
シーバスがすっと頭をこちらに向けて,泳いできました
ネットを海中に30度の角度で入れ,こちらからシーバスに寄っていき,ネットに迎えます
さすがにここで終了
まだ明るさが残るうちに,血抜きをし,慌ててもと来た護岸沿いを戻ります
どれも重量があり,3匹運ぶだけでも大変でした
帰り際,柿の木の下に猪の足跡が増えていたような
ま,いいか
秋だから