言葉喫茶【Only Once】

旅の途中で休憩中。

わたしは

2022-01-13 21:23:46 | 言葉




長いながい眠りの果て
数え切れない夜を見送り
朝を駆け抜けたどり着いた

わたしは いま

歩き続けている
息をしている
生きている

どうしようもなく


 手のひらからこぼれ落ちたものほど
 強くきらめきをはなつから
 通りすぎた日々が愛おしいのです

 叶わないけれどあの日に帰りたい
 帰れないと知っているからこそ
 わたしは新しい過去へと向かいましょう


迷うだろう
立ち止まるだろう
見失うだろう
それでも

いま わたしは
















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

お読み下さり、ありがとうごさいました。

今年もゆっくり、
言葉と向き合いながら、
生きていこうと思います。




,

立ち止まらぬものたち

2021-05-17 21:28:55 | 言葉



むせ返るような
あおく若い匂いが
このからだを通りすぎてゆく

しゃらしゃらと
町の草木を鳴らす風は
このこころをも揺らしている


 移り変わる花の色
 動き続ける星の群れ
 降り止まない時の砂が
 大地に積もっては
 新たなつぼみを育んで

 さらさら
 さらさらと―


憂鬱や哀しみ
言葉にできない想いなど
静かに洗い流してゆく
ひと吹きの風を浴びながら

暮れてゆく春の中を
わたしは今も
歩いている








***********************

こちらへお越しくださる皆さま、

お読みくださり、
ありがとうございます。


yu,





森∼うたさがし∼

2020-11-15 00:42:47 | 言葉








さがしていたんです
あなたを

陽(ひ)降らぬ森のなかで
ずっと


遠ざかろうとしても
あなたは

いつも いつでも
すぐそこに

目と目が合わなかっただけで
あなたは

ずっと
わたしのなかにいました


あなたにはげしく恋い焦がれる
ひとりの旅人であった
わたしを

もとめているんです
いま ふたたび













森をゆく

2020-11-14 21:59:33 | 言葉





ひとり
この道を歩く
つまずかぬよう転ばぬよう
立ち止まることの無いように と

振りかえれば

色褪せた季節たち
わたしをすり抜けていったひとたち
しあわせかなしみくるしみよろこびが
こちらに手を振っているのが見えるから

歩く あるく
迷いながらも 前へと

踏みしめる 噛みしめる
確かに生きている 今この瞬間を


帰りたい場所
愛したひと
求めるもの
掴めなかったひかり

すべてが

振り返れば すぐ
そこにあると知っている
だから今は背を向けて 歩く あるく
おそれながら追い求めながら 森の先へ さきへと







お越しくださるみなさま
または
はじめましての、あなたへ。

お読み下さり、ありがとうございました。

秋深まる地域にお住まいの方も、
冬が始まった地域の方も。
それぞれの「森」で、どんな景色に出逢いましたか?

しばらく多忙、体調を崩していたわたしは、
たくさんの季節の移り変わりを見逃してしまいましたが、
足もとに咲く乾いたモミジや、夜の静寂などから、
確かな季節を感じております。

寒くなると、やはり冬のうたが恋しくなりますね。



yu,


森の中

2020-10-19 23:25:47 | 言葉




静まりかえった
森のような
夜が
霞んでいる

外灯が落ちた場所には
あたたかな円がうまれて
ところどころが
虹色に光る

あと数時間で明けてしまう森を
やがて消えるやわらかな円を
ゆらり静かにたなびく霞を
壊してしまわぬように

指輪の頂点にある
ダイヤモンドにも似た
つかの間の輝きを
かき消してしまわぬように

静まりかえった
深い ふかい 森のような
とっぷりとした夜に潜む
かすかな温もりを

この身にまとって 歩いた















お久しぶりです。
いつもお読み下さり、ありがとうございます。

初めて迷いこまれた方にも、感謝を。


yu,