のDVDのハーバード大学でのambiguity:あいまいさの美学についてのレクチャー。
マーラーの交響楽団曲第5番のアダージェットがその一例にあげられています。
最初の3小節はドとラの音のみ。
何調なのかわからないし、
そして連符の入り交じるアドリビトゥムなリズムで拍子も掴めない
「あいまい」さ…
どこへ連れられてゆくのかもわからず、
ようやく4小節目でたどり着くヘ長調
まるで砂漠にさまよい、ようやく辿り着き
オアシスのようなやすらぎをもたらしてくれます。
アダージェットの美しいメロディーは映画などでも使われているのでご存知の方も多いかと思いますが、曲中に何度も同じようなフレーズが登場します。
でも、楽章を通してリズムや音、ニュアンス、速度を常に少しずつ変形して描かれています。
ただ聞いているだけだと本当にアドリビトゥムみたい。
演奏する側はもちろん楽譜に忠実に音符を再現出来るよう努めていますが…最終的に時間を作るのは指揮者さんのお仕事。
今日はambiguityな尾高さんの指揮でこの上なくambiguityで美しいアダージェットをお届け出来たことと思います!
えり
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