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徳永崇さんの「時間姉妹」

12/8の公演では作曲家の皆さんが私たちファルファーレの為に書いてくださったのですが、今日ご紹介する
徳永崇さんの作品「時間姉妹」は1stがたかよ、2stがえり、と指定されています。

それぞれの性格を反映して。全く同じ動きをしたり、全く噛み合わないように別々の事をひいたり、それぞれが掛け合いで真似し合うところ...などなど演奏を見ながら聴くと更に面白い作品です。
ボトルネックを使った特殊奏法も面白いです。


姉はX[iksa]として2009年に徳永さんの舟歌 を初演しており、
その作品はX[iksa]のセカンドアルバム
~和~ Waにも収録されています。
http://green.ap.teacup.com/iksa/13.html



以下ご本人による曲目解説とプロフィールです。
(昨日のお写真後列1番左です。)

「時間姉妹」
本作品は、ファルファーレのお二人の人間関係を調査し、それに基づいてアンサンブルを構築しています。具体的な事項は個人情報なので申し上げませんが、割と踏み込んだところまでお話を伺って性格を把握し、各パートをそのまま姉と妹に見立て、様々な絡みを仕掛けました。そもそも近年、私はハイブリッドな音楽構造の探求の一環として、多時間的な構造を持つ作品をいくつか作曲しています。端的に言うと、様々なテンポや拍節を共存さるだけのことなのですが、微妙なさじ加減で思いもよらない状態になるので、コントロールに苦慮しています。すでに先人によって同様のコンセプトによる多くの作品が作曲されているにもかかわらず、意外と探求されていない領域なのではないか、とも感じています。この「多時間」であることの身近な例が、やはり人間関係だといえます。同じ社会に生きながら、様々な価値観やリズムが混在し、時に衝突したり和解したり、協働したりしながら生活しているのが人間です。今回は松村姉妹に演奏して頂くわけですから、この魅力的なお二人を題材にしない手はありません。ただ、最終的な私のねらいは、両演奏家の関係を再現することではなく、そこから生まれる音楽的なエッセンスを抽出することにあります。阿吽の呼吸や微妙なズレ、そして様々な駆け引きを音として体感して頂けると幸いです。

徳永 崇  とくながたかし
1973年広島生まれ。広島大学大学院教育学研究科修了の後、東京藝術大学音楽学部別科作曲専修修了。「ハイブリッド」をテーマに、様々な音の身振りや響きを多層的に配置する方法を追求している。武生作曲賞受賞(2005)。ISCM World Music Days入選(2002/香港、2014/ポーランド)。在籍する作曲家グループ「クロノイ・プロトイ」の第5回作品展が、サントリー芸術財団第9回「佐治敬三賞」受賞(2009)。テグ国際現代音楽祭招待作曲家(2006・2011/韓国)。「秋吉台の夏」現代音楽セミナー&フェスティバル招待作曲家(2010・2011・2013)。作品は国内をはじめ、欧州・アジア各地で演奏されている。現在、広島大学大学院教育学研究科准教授。
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