フランス王家の家系図は一目見ただけでは理解できない程複雑。
日本の戦国武将もそうですが
高貴な身分の方々の家系図は本当に謎めいています。
登場人物の紹介欄にはジュヌヴィエーヴはアルケルの娘となっていますが
第1幕で「ここへ来てもう40年になるのよ」とメリザンドに言っている事から
アルモンド王家の出生ではなく嫁いで来たお姫様、
アルケルの息子のお嫁さんということになります。
そのシーンは若かりし頃を懐かしむような愛と希望に満ちた音楽で
一条の光明が感じられます。
フランスの貴族や王家の家系図を参照すると
王子が臥した際はその兄弟と再婚することがよく行われていたようですので
アルケルの息子と結婚しゴローが誕生。死別後に兄弟と再婚しペレアスが誕生し
「ゴローとペレアスが異父兄弟」となったものと思われます。
いくつかの分析資料にはアルケルの「妻」となっているものもありますが
1幕の手紙のシーンでアルケルが「父親と友達とどちらが大切なんだ?」と諭したり
「君の父は...」と述べているので病床に伏していて一度も登場しないだけなのか
仮に「妻」であるなら
お芝居などで登場人物の関係を観客に明確に伝える自己紹介の手法として
アルケルは自らを「君の父」「父親」と言っているのかもしれません。
ゴローとペレアスはアルケルの孫と明言されているので
ジュヌヴィエーヴがアルケルの妻とすると更にペレアスの父の死後にその父親と再婚した事になります...
いくら血が繋がっていないから可能と言ってもちょっと無理があるような。
4幕ではペレアス自身、病床の父を見舞った節があるので
やはりジュヌヴィエーヴはアルケルの「義理の」娘に違いないですね。
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