山田 斗喜也（少し追記）

山田斗喜也

殺人未遂、銃砲刀剣類所持　、傷害、暴行
（個人の感想としては脅迫、監禁、強姦も罪状に加えられるべきであると思う。）

見た目は典型的な草食系男子（あくまで個人の感想です）

【事件概要】
　被害者Aと被告人山田斗喜也は大学のサークルで出会い、６ヶ月程度は順調に交際していた。
被害者Aが被告人山田に別れを告げたところ、山田からの暴力が始まった。
Aが他の男性に心変わりをした。その心変わりは山田にとっては裏切りと捉えられた。

　別れを告げた当日に布製のベルトで首を絞める暴行が行われた。Aが必死の抵抗をし事なきを得る。（H24.12.14)

　首を絞め、テーブで手を緊縛し口を塞いだ上、刃物で首を切りつけ全治６か月の傷を負わせた。（H24.12.16)

　Aは山田の将来を思いやり警察への届け出を躊躇してしまった。
Aは自力で山田の両親（静岡県在住）の連絡先を調べ助けを求めるべく連絡を取った。
山田の父親は電話で山田斗喜也に注意し、Aは山田の母親と電話で話し、これで事態は収束するものと安堵した。(H24.12.22 )

　山田は両親からの注意に素直に応じる姿勢見せる一方、何かと理由をつけAを呼び出し以前と変わらず関係を迫った。
山田はAに山田両親の連絡先を携帯電話から削除させた。事態は収束しては居なかった。


　山田はAの家族（母親）からも会わないで欲しいと注意される。（H25.1月）

　山田からの呼び出しにAが応じると、山田はAを自宅に監禁することがあった。
Aとの連絡が取れずに、Aの母親はAを探しまわった事があった。この時は山田がAに携帯電話の使用を制限していた模様。Aの母親からのメール、電話の着信が履歴としてAの携帯電話に多数残されていた。

　やがて山田からの呼び出しにAが応じなくなると、Aが寝ている間に撮影したわいせつな画像をばらまく旨の脅迫も電話やメールで行われた。（所謂リベンジポルノの存在を示唆して行われた脅迫）

などの後、平成２５年１月２１日当日を迎える。

　山田斗喜也はAの自宅を訪問する。所持品は包丁１丁と結束バンドである。
山田本人は来訪目的はAに別れを告げること、その後に自殺するつもりだったと言っている。
しかし、山田はAが家族と住む家の呼び鈴を押してはいない。２人だけの問題として処理したかった、双方の家族を巻き込みたくなかったと語っている。

　山田はAの自宅付近に潜みAが外出するのを待ち伏せし、アルバイト先に向かうAを駅まで追いかけた。
　この行動は直接会って別れを告げたかっただけという先述の山田供述と全く符合しない。
なぜなら、この後に山田はAに一言も声をかける事無くAの背後に忍び寄り殺害行為を実行している。
人のまばらな時間帯のホームでAの背後に気付かれずに近づくのは容易いことでなく、物陰に隠れながら近づくのであるから、この時点では明確に殺害意志、犯行計画が有ったと言える。

　山田はAを背後から抱きかかえる様にして、ホームに入線してきた電車に突き落とした。
その際、山田は誤って自分も線路に転落するがホーム下の退避エリアに逃げ込んだ。
一方、Aは電車と衝突し約１４メートルはね飛ばされ、全身に多数の傷を負ったものの幸い一命は取り留めた。
脾臓破裂、膵臓損傷、出血多量によって絶命の危機であった。

　事件の目撃者はAは間違いなく死亡したものと思ったと証言している。

　電車の運転手がホーム上の異変を察知して、緊急ブレーキを掛けた事、衝突後に飛ばされた先が線路上でなかった事などの偶然が死亡を免れた奇跡の要因である。

【殺人未遂事件当日の殺意について】

検察、被害者代理人
　事件当日は被害者の殺害を目的として被害者宅を訪問し、後を追った結果として鉄道ホームからの突き落としという殺害方法を選択した。
即ち、当初より明確な殺意を持って被害者宅を訪れている。

弁護側、被告人主張
　当日は被害者に直接会って別れ話をしたかっただけ。彼女に別れ話を告げた後に一人で自殺するつもりだった。当時の所持品の包丁と結束具は自殺の準備。
（自殺する場所は特に決めていなかった）
当初は殺害の意志はなく、Aのあとを付けるうちに衝動的に殺意が芽生えた。
(しかし、その後山田は自殺を試みていない。また、結束バンドは以前（H24.12.16）の犯行態様から察すると、被害者の反抗を抑圧する為に用意されたとの解釈が自然である)

【論告】
検察の求刑 懲役12年、包丁1丁の没収。
弁護側 懲役８年が相応

【判決】
懲役１１年未決勾留日数中２２０日をその刑に算入する。包丁1丁の没収。

　被害者に対して暴行、傷害、殺人未遂と１ヶ月の間に犯行がエスカレートしており、厳しい非難は免れ得ない。危険で残忍な行為。
同種、殺人未遂事件を含むもののなかでもきわめて悪質な事案である。

他方、被告人が反省の弁を述べており、更正の可能性が有る事、被害者等との示談が成立している事が量刑上評価された。