傍聴絵日記

@さいたま地裁傍聴席

ディスカウント店で強盗、土屋 雄太求刑(鴻巣)

2016年08月26日 | 刑事事件
平成28年(わ)第164号

土屋 雄太

強盗致傷、銃砲刀剣類所持等取締法違反(裁判員裁判)

【求刑】
懲役6年、凶器として使用したナイフ(父親の遺品だと言います)を没収。

【論告】
無抵抗の被害者に対し、刃物やタバコの火等の凶器を用いた犯行態様の悪質性。
被害者は、示談には応じていますが、依然厳しい処罰感情を有している点。
共犯者3人の中で最も強度な暴行脅迫を加えている点。
従属的な立場で犯行に関与した前刑時と比べ、本件では率先して暴行脅迫を加えており、犯罪傾向が進んでいるとみられる点。
未だ不合理な弁解に終始して、反省が見られない点。
等を検察は論告の中で指摘します。

【弁論】
本件犯行は計画的ではないと言いますが、共犯者の車に乗り合わせるのに際し、自身のクルマから(護身用と弁解する)ナイフを持ち出し持参して準備しています。
被告人は強盗の犯行は今回が初めてと言いますが、本件の成功に味をしめたのか本件後には再度強盗の犯行に及んでいます。(共犯者のうち1名は以前に同様の犯行を行っていたと言います)
執行猶予期間中である事を、飲酒(焼酎2本)の影響で忘れていたと言いますが、飲酒した店へクルマで行っている時点で既にアウトだと思うぞ。
長期の服役により被告人の社会性が失われる事が懸念されることを指摘しますが、前刑の執行猶予が取り消されることで長期(2年)の服役は約束されていたのですから、自業自得以外の何物でもありません。
再犯可能性は低いと言いますが、2度あることは3度あると言います。
保護観察処分になった他の共犯者との刑の均衡を求めますが、共犯者2名はともに少年ですし、少年らの調書によれば共犯者間での被告人の発言力は強かった様ですので被告人が犯行を制止することも出来ました、しかしながら少年等を制止するどころか、率先してナイフやタバコの火といった凶器を使用したのも「殺すぞ」と脅迫文言を使用したのも同人ですから、均衡を取るのならより重い処分が相応でしょう。
まさか、23歳にもなった被告人を少年扱いしろ、と頓珍漢な事は言いませんよね。

【証人尋問】
論告、弁論に先立って行われた情状証人の証人尋問を短時間傍聴できました。
昨日まで傍聴席で「ヘラヘラ」していた被告人の母が、一転神妙な面持ちで座っていました。
ああ、やっぱりこのおばさんか。
「しつこいくらいに口頭で注意していた、」と述べますが、被告人の行動や交友関係を把握していた様子はありませんでした。証人が紹介したと言う勤務先を、被告人が退職していた事も知りませんでした。
被告人の再犯と母親の無関心とが、無関係とは思えません。
母親は、被告人には考え方に「幼稚」な面があると分析していました。であれば、内省を促す様な接し方をすべきであって、煩がられる事は逆効果の筈です。
母親の「監督していたつもり」が、再犯を防げなかった要因に思えます。
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