刑務所志願者の郵便局強盗（川口）

平成２７年（わ）第 1号

神山 隆麿

建造物侵入、威力業務妨害、暴力行為等処罰に関する法律違反、銃砲刀剣類所持等取締法違反

【概要】
平成２６年１２月１５日川口市青木の川口市役所前郵便局で発生した強盗事件。
カウンターに液体*を撒き、包丁様*の凶器を示し「分かるだろ、金を入れろ」とバッグに金を入れさせるとバイクで逃走*しました。

*液体：洗剤＋コーヒー＋焼酎＋水道水
*包丁＋ライターをガムテープで固定
*逃走中に窃取金を落としています

平成２６年２月に妻と離婚した事を思い悩んだ末、自身の人生を破壊しようとした事が本件犯行の動機だとの弁解です。
本人の弁では逮捕される為の犯行だと言います。その為に、逮捕率が高く、実刑判決の可能性が高い郵便局強盗を選択し、特に手袋、目出し帽など指紋や容貌など個人の特定を妨げる対策を施していません。

強盗に及んだ気持ちを「自殺の様な気持ち」であってお金が欲しかった訳ではないと弁解しますが、元妻との離婚理由は元妻の調書によると被告人の「借金問題」です。
被告人はIT関係の個人事業主であり、月収が８０万円程と述べる一方、会社としての借入金が１７０～２００万円消費者金融等にあったと言いますが、銀行等の金融機関で事業資金として借り入れしていない理由は明らかにされていません。

離婚後、犯行時は住所地で両親と同居していましたから、上述の収入であれば比較的短期間に返済出来ていた筈だと思うぞ。
今回の犯行を両親はあきれ果てており、社会復帰後の同居は容認しない方針と言います。

被告人は法廷での被告人質問を何かのインタビューと勘違いしているようで、「ヘラヘラ」受け答えしている事で判事から注意を受けます。
自分の置かれている状況、犯罪者として裁かれているという事実を理解出来ていない様です。

刑務所志願の被告人に判事は「何年（刑務所に）行きたいのですか」と問います。
被告人の答えは５～６年でした。
【求刑】
懲役１年６月

被告人にとっては、刑期の長さも、実刑で無いこと（が見込まれる）も不満でしょう。