傍聴絵日記

@さいたま地裁傍聴席

浦学野球部元コーチの飲酒死亡事故1(浦和区)

2016年08月29日 | 刑事事件
平成27年(わ)第1835号

片桐 淳

危険運転致死、道路交通法違反

【概要】
ブラックな職場で鳶職として稼働していた被告人が常習の飲酒運転の末居眠り運転で自転車を巻き込んだひき逃げ死亡事故です。

台風が来ようかという天候にも関わらず、法廷が満席です。

公判で被害者遺族と対面するのを恐れていた(ビビっていたと表現)と述べる、被告人はどう見ても真実を語っている様には見えません。(あくまで個人の感想ですと、一応注釈しておくぞ)

【ブラックな職場】
ギャンブル狂いの末借金の肩代わりを条件に、犯行当日の同乗者フナコシカズキの元で一年間の約束で鳶職として稼働する様になったと言います。
最初32万円程だった借金がいきなり利息込みで返済額40万円になり、その後仕事用の車両を被告人の運転で横転全損させた事から(任意保険未加入の為)、借金は100万円程に膨れ上がっていたと言います。(何とも本末転倒なハナシです)この時点で被告人はあきれる程運転が下手糞だと思うぞ。
結局借金返済の目処が立たず、働き始めてから2年経過した犯行当時も、フナコシの社畜として労働力を搾取され続けていました。
朝の始業が5時頃で帰宅が20時位だった様です。犯行当日も翌日土曜日は5時頃には出勤する必要があり、翌々日の日曜日も仕事の予定でした。(片道2時間程の現場までの往復は被告人の運転でフナコシは爆睡だった模様、本件の様に飲んだ帰りも同様らしい)
朝の5時から出勤して夜20時頃帰宅して日給1万円だと言いますから、最低賃金を下回る疑いが有ります。

本件犯行の動機を「フナコシに逆らえなかったから」とでも言いたげな発言が弁解の中で散見されました。

飲酒運転中には事故を起こしていなかった事から、頻繁に飲酒運転を繰り返していたと言います。先述の様に借金が膨れ上がる原因の事故を起こしているのだから、運転全般が慎重になる筈ですが、被告人の思考回路が全く理解が出来ません。

【事故態様】
午前中満席で傍聴出来ていませんので、ご存知の方は訂正していただけると幸いです。
2件の飲食店で約4時間30分飲酒後30分の仮眠だけで、フナコシに促され飲酒運転を開始。フナコシ宅方向に向かうも、途中の交差点で睡魔に耐えきれず意識を失い、自然と目覚め停止時に居た先行車が居ない事に気づき急発進、蛇行(斜行)を繰り返しながら走行する中、再度意識失い道路左方を走行する被害女性の自転車に後方から追突。この時も被告人は、ほとんど意識が無かった様です。

【事故後の被告人の弁解】
事故後に気付くと、街路灯の支柱(電柱と被告人は言います)に自車が食い込んで、エンジンが始動しない事から自車が大破したと考え、運転席から後部を通って歩道に移動したと弁解しています。
車両後部には被害者の乗っていた自転車がありましたが、記憶にないと弁解しています。
普通であれば、エンジンが始動しない理由を確かめる為に前部を確認するのが自然な行動ですが、被告人は車両前部で「見てはイケナイもの」を見てしまった為に車両前部に近寄ったと言えなくなってしまった様です。前方には行って居ない旨強弁する姿が滑稽です。

ああやっぱり、被害者遺族の指摘によれば、被告人はそこで「見てはイケナイ程、激しく損壊した被害者の仏様」(仮にアニメやイラストでも、モザイク処理される位の損壊状況らしい)を見てしまい「うわー」と何度も奇声を上げていた様です。

こんな事してるから、遺族との対面が怖いんじゃないか。

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