これが横綱だと思う。優勝が決まっても照ノ富士は気持ちを切らさなかった。正代に対して頭から当たった。今場所11日目の高安との一番以来、2度目のことだ。それだけ充実していたのだろう。左まわしを取ってから深く差して正代が巻き替えに来たところを一気に寄り切った。余裕のある盤石の攻め。横綱相撲である。
正攻法の攻めで照ノ富士時代を築いたといえる。大関から序二段まで落ちて復活の階段を一歩一歩、駆け上がりながら“照スペシャル”を完成させた。鋭い踏み込みから左前まわしを取って相手を引き付ける。この相撲がある限り、膝への負担は軽減され、安定した成績を残すことができる。
今場所を見ていて、横綱と大関以下との差が開きすぎていると感じた。薄い上位陣の奮起を期待すると同時に、下から「オレこそは」と名乗り出てくる若手が欲しい。若隆景か豊昇龍か、それとも琴ノ若らが相撲界の新しい地図のピースになってくれることを期待する。 (WEB引用投稿)
大関から序二段まで落ちて復活の階段を一歩一歩、
駆け上がりながら“照スペシャル
この努力が人生を左右する
若い諸君も参考にしよう!
明日は我が身と思いながら
◆大相撲秋場所9日目 〇大栄翔(寄り切り)照ノ富士●(20日、東京・両国国技館)
西前頭4枚目・大栄翔が新横綱・照ノ富士に土をつけた。堂々の寄り切りで自身3個目の金星を獲得。新横綱の独走状態に待ったをかけた。照ノ富士の初日からの連勝は「8」でストップ。金星を初めて配給した。1敗で照ノ富士が単独トップは変わらず、1差の2敗で追うのは阿武咲、隠岐の海ら平幕の5人。カド番の大関・貴景勝は今場所初めて白星を先行させた。
ついに大栄翔が新横綱を撃破した。全勝・照ノ富士との結びの一番は「格下なので思い切っていくしかない。力を120%出すことを目標にしていた」。出足を止められた立ち合いはサガリ(前まわしに挟んで垂らす飾りの一種)をつかまれたが、「(まわしを)取られたら話にならない」と頭をつけて我慢した。横綱がたまらず左下手に手を伸ばすと、反撃。体を起こして強烈なのど輪をかますと、右肘のサポーターも吹っ飛ぶ激戦。歓声とどよめきが交差する中、最後は二本を差し、気迫で寄り切った。
今場所6勝目は、独走態勢に入りかけた主役に土をつける殊勲星。取組後は興奮冷めやらぬ様子で「うれしさと自信が湧いてきました」とうなずいた。新横綱を初めて攻略した平幕に八角理事長(元横綱・北勝海)も「こういう馬力のある力士が怖い。中にうまく入りましたね。大栄翔をほめるべきだよ」と賛辞を贈った。
文武両道がプラスに働く。将来、親方になることを見据え、昨年4月には日大大学院に入学し、総合社会情報研究科で大相撲の部屋制度にも通じる「ファミリービジネス」を勉強。場所前にもリモートで授業に参加し、「学ぶことで考え方も変わる。今にも生きている」という。来春修了予定で「相撲関連の修士論文を書こうと思っています」と順調な様子をうかがわせた。
19年九州場所以来、通算3個目の金星。だが20年秋場所に新関脇、今年初場所は初優勝も経験した27歳は「常に三役にいたいので、戻りたい。それが一番」と一喜一憂しない。新横綱を引きずり降ろし、1差の2敗に平幕5人。3敗の大栄翔らにも賜杯の可能性が十分にあり、混戦の様相を呈してきた。「V争い? そこまでは…。まずは勝ち越さないと。頑張ります」と謙虚。分厚い壁を突き破った勢いで、連勝街道を突き進む。(WEB引用投稿)
その心を忘れるなな! めげてしまえば十両陥落という事を忘れるな!
大相北の富士勝昭撲名古屋場所千秋楽(18日、ドルフィンズアリーナ)NHKでテレビ解説を務めた北の富士勝昭氏(79)=元横綱=が、横綱白鵬(36)は大関正代(29)を浴びせ倒した14日目の一番を振り返った。
時間いっぱいで、白鵬がそんきょから立ち上がると後ずさっていく。俵付近にまで極端に下がって手をつ、遠いき距離で正代と向き合った。軍配が返ると、立ち上がって歩いて前進。おもむろに張り手やおっつけで攻めた後、体が離れて様子の探り合い。機を見て十分の右四つでつかまえて浴びせ倒したが、後味の悪さが史上最多の優勝44回を誇る横綱の俵付近で手をつく奇襲に、北の富士氏は「あきれて物が言えなかった。44回優勝した大横綱がやって良いことといけないことがあるんじゃないか。それだけに質が悪い」と苦言。白鵬は進退を懸けて臨んだ場所で14連勝し、自身2度目の千秋楽全勝対決に持ち込んだが、北の富士氏は「きょうの全勝同士の一番を楽しみにしとったんですが、まあいいですわ。あとは精いっぱい、やってくださいよ」と突き放していた。
又NHKでテレビ解説を務めた舞の海秀平氏(53)=元小結=は「また立ち合い、肘打ちいきましたね。照ノ富士の顔面を狙って肘が飛んでいきましたね」と指摘。「余裕がないからああいう相撲を取る。勝利への執念といえば執念なんですけど見方を変えると、そこまでして勝ちたいかなという、そういう見方もしている人もいると思うんですよね」と苦言を呈していた。(抜粋)
横審の矢野弘典委員長(産業雇用安定センター会長)
19日の会合で「14日目の目を疑うような仕切り、連日の張り手。ヒジ打ちと疑われかねないカチ上げ。武道では見られないガッツポーズは見苦しく、どう見ても美しくない。多くのファンのひんしゅくを買っている」と苦言。(抜粋)
この横綱の仕切りはどうした! 見たことない?
大相撲夏場所で2場所連続4度目の優勝を果たした大関の照ノ富士(29)=伊勢ケ浜=が千秋楽から一夜明けた24日、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋でオンラインで記者会見。「初めてなので、大関の優勝は。大関での優勝がないと、次の番付は見えてこないと思っていた。良かったと思います」と心境を語った。
初日から10連勝し、優勝争いをリードしてきた。終盤に3敗したとはいえ、決定戦を制し賜杯を手にし、「今できることをやりきったと思います」と充実した表情で振り返った。苦しかったときはと尋ねられたが、「ないです」と返した。優勝を決めた夜は、「ゆっくり休めました」と話した。
千秋楽の打ち出し後、伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)は「(優勝に)準じる成績を残せたら、そういう話も出てくる。1年で3回優勝しているし、2場所連続で優勝しているわけですから」と、7月の名古屋場所が綱とり場所となるとの認識を示した。
初の挑戦となるが、照ノ富士は「そこ(横綱)を目指して頑張ってきた。あと一歩というとこまで来てますので、全力を出し切って頑張っていきたいなと思います」と言葉に力を込めた。