「父の芸は、誰にでもできるような小さな努力を、誰にもまねできないほど膨大な数、積み重ねた先にある、一つの究極の形だったのではないか」。喪主で長男の歌舞伎俳優、巳之助(みのすけ)さん(25)が葬儀の最後、そう父をたたえた。
午後3時から始まった葬儀には、松本幸四郎さん(72)や中村吉右衛門さん(70)ら歌舞伎界を中心に約5000人が参列。これから見せるはずだった円熟の芸を惜しむファンの列は、日没後も途切れることはなかった。
芝居はもちろん、当代一とたたえられた踊りの名手として観客を魅了し続けた三津五郎さん。その芸は、1歳にして「踊りの神様」と呼ばれた曽祖父の七代目に抱かれ、初お目見えを果たした日から、日本舞踊の坂東流家元後継者として徹底的に踊りの研鑽(けんさん)を積み、培われた肉体の芸術そのものだった。
しかし、日頃から「先輩から預かった大切な荷物(芸)を次の世代に伝えなければ」と公言し、その芸を惜しみなく後輩に伝えた。人間国宝の尾上菊五郎さん(72)は弔辞で、「3年後、5年後、10年後、君のまいた種が花咲き実をつけるのが楽しみだ」と、早過ぎる死を惜しんだ。
戒名は「香藝院爽進日壽居士」。棺には、家の芸である舞踊「喜撰(きせん)」で使用する「花錫杖(はなしゃくじょう)」や稽古扇子、大好きだった城の本などが入れられた。
3年前、同じ年の盟友、中村勘三郎さんへの弔辞で、「そちらに行ったら、また、一緒に踊ってください」と呼び掛けていた三津五郎さん。今頃は“夢の競演”が実現しているはずだ。21日、膵臓(すいぞう)がんで死去。享年59(産経新聞)
●還暦を前に死去した日本舞踊の坂東流家元後継者だけあって3時から始まった葬儀は日没後まで延々と続き5000人を数えたという。
歌舞伎界でこれから・芸能からファン・多くの人たちに惜しまれ還暦を待たず亡くなったということだろう…
それにしては惜しい人ほど早死にすると言うが本当なのだろうか。長く病気にイジメられている人間もいるし生死については誰も分からない・・・・
心からご冥福を祈ります 合 掌
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