癒(IYASHI)

徒然なるままに令和時代のニュースなどの種を拾い癒し求めて綴ります      

◆新型コロナウイルス 「特効薬」の開発はなぜ進まないのか?

2020年04月15日 16時00分11秒 | 衛 生

「新型コロナウイルス感染者急増により、世界中の医療機関が疲弊する現在、完全な新薬の開発を悠長に待っていられません。そこで、すでにほかの病気に対して承認され安全性が把握できている薬を転用する方向で準備が進められています」

 候補に挙がった薬剤はいくつかあり、世界保健機関(WHO)はその中でも有望な治療法に対して、大規模な臨床試験を開始した。

 「WHOは4つの薬剤について治験を開始。抗ウイルス薬の『レムデシビル』、HIV薬の『ロピナビル・リトナビル配合剤』、抗マラリア薬の『クロロキン』と『ヒドロキシクロロキン』、そして肝炎などのウイルス性疾患に用いられるインターフェロン製剤についてです。これらは、新型コロナに対する効果が期待されていて、グローバルな大規模試験で科学的な臨床データを収集しようという試みです」(前出・大西さん)

◆ワクチンの開発も容易ではない

 ウイルス性の感染症では、予防のためにワクチンを接種することが有効となる。かつて蔓延した、はしか、水痘、おたふくかぜ、ジフテリア、ポリオ、破傷風などの病気は、ワクチンの予防接種が浸透して9割を超える人が免疫をもつようになっている。

 ワクチンには、はしかのように予防接種で免疫を獲得すれば二度とかからないようにできるものもあるが、インフルエンザのように予防接種をしても感染してしまうものもある。ただ、その場合でも、感染後にあまり重症化しないで済むといった効果が期待できるため、ワクチンとしての有効性はある。

 ワクチンのタイプとして、生きた原因微生物を発症しない程度に弱毒化したうえで使用する「生ワクチン」と、微生物の全体または一部を感染しないように無毒化して免疫を獲得する「不活化ワクチン」がある。

 生ワクチンは、弱毒化したとはいってもわずかに発症のリスクが残るため、免疫不全者や妊婦には使用できない。はしか、水痘、おたふくかぜなどに対しては、生ワクチンが用いられる。

 一方、不活化ワクチンは、発症のリスクはなく免疫不全者や妊婦にも使用できるが、獲得できる免疫が限られていて、その持続期間も生ワクチンに比べて短い。ジフテリア、ポリオ、破傷風などに対しては、不活化ワクチンが用いられる。

 どちらのワクチンにしても、発症のリスクを減らす、もしくは、無くす一方で、免疫を獲得できることが求められる。ワクチンの開発では、新薬と同様に、ワクチン候補について臨床試験で有効性と安全性を確認することが必要となる。

 政府は、今回の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、海外の研究機関等とも連携して、ワクチン開発を進めることを表明している。しかし、ワクチンの専門家からは、ワクチン候補ができても、臨床試験を実施して有効性と安全性を確かめて、国の承認を得て実用化するまでには、何年もかかるとの声もあがっている。

1月末に、国立感染症研究所は、新型コロナウイルスの分離に成功したと発表している。今後は、このウイルスが国内外の研究機関に広く配布され、抗ウイルス薬やワクチン開発が進められていく見込みとなっている。医薬品の開発が着実に進められることを期待したい。 

では、抗ウイルス薬やワクチンが実用化されるまでの間、一般の市民はどうすればよいのか。ありきたりではあるが、戸外からの帰宅時、食事の前、トイレの後の、うがいや石鹸での手洗い、アルコール消毒の徹底、外出時のマスク着用、できるだけ人混みを避ける──など、日常生活の中で、今できる感染症対策を粛々と取っていくしかない。(WEB抜粋引用)


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