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English Version
한국어
ビリーは携帯を閉じた。
「コン室長のやつ、結婚してから電話にも出ない」
ビリーは舌打ちした。
「裏切り者め。コン室長なんか嫌いだ」
派手な上着で心身ともにリフレッシュした。もう誰も頼らない。
「これからはマイウエイだ。我が道を行くんだ。この次は必ず、自分に似合う物静かで繊細な――素敵な女性に出会うんだ。そんな人と一緒にこれからの人生を歩みたい」
ビリーは自分に酔いしれるようにフロントホールへ出てきた。
「ふざけないで!」
近くで女の苛立った声がした。
ビリーは思わず足を止めた。
見ると髪が長く背のすらりとした女性がフロントのスタッフに文句をつけている。
「気に入らないわ。いい加減にして。不愉快ったらありゃしない。あんな部屋で寝ろというの?」
ビリーはその女に興味をそそられた。
「少々お待ちを・・・」
スタッフは対応に苦慮している。
「とろいわね。さっさとしてよ」
ビリーはその女の後ろに立った。うっとりと酔ったような目を送った。
「呆れちゃう」
女は背を返す。ビリーに行く手を立ち塞がれた格好になる。
ビリーは上着の内ポケットからハンカチを取り出す。手を震わせながらそっと差し出した。女はすばやくハンカチを手にした。
「ハンカチの色もダサいわ」
容姿もアンナに似た女はハンカチを投げ捨てて歩き去った。
ビリーは電撃を浴び、焦げ付いたように突っ立っている。
「なぜ僕は――あのタイプに弱いんだろう・・・こんな自分が憎い」
自己嫌悪も束の間、ビリーはアンナに似た女の後を追っていそいそ歩き出す。
ユギョンとヒョジョンは銀行にやってきた。
「住宅貯金もしてないの?」とユギョン。「財テクの基本よ。座って」
二人はパンフを手に並んで腰をおろす。
「どれどれ・・・これは利子が高いわ。そしたら、満期でいくらくらいになるかな?」
ユギョンはバッグから電卓を取り出す。計算を始める。
「あなた、また積み立てを?」
計算を続けながらユギョンは答える。
「ええ。世の中、頼りになるのはお金だけよ。私が信じるのはお金だけよ」
「結婚はしないつもり?」
「するわよ。私のように美人で有能な女なら――ほんとはずっとモテるはずよ。次は私が相手を選ぶわ。見てらっしゃい」
ユギョンは席を立つ。気取ってこれ見よがしに歩き出す。
その姿に行員たちも色めき立つ。ユギョンの美貌にハートを揺さぶられる。
ちらと流し目をくれながら、雑魚は相手にしないとばかり歯牙にもかけないそぶりを装うユギョン。本物の男(?)に出会うための擬似アンナはここにもひとり誕生?
アンナとチョルスの結婚式の日がやってきた。
「これを着たら緊張してきた」とジュンソク。
「結婚する時ってこんな気分なのかなあ・・・」とユンソク。
「僕はおばさんと結婚する」とグンソク。
「バカだなあ・・・これからは叔母さんだよ」
「叔母さんは叔父さんと結婚するんだ」
「じゃあ、僕は100人と結婚する」
アンナとチョルスとプリンセスとコッスンは、ポカポカ陽気のお日様の下でひなたぼっこを楽しんでいる。
「チャン・チョルス。考えたんだけど――サンシルって名前も悪くないわ。呼びやすいしね」
「気に入ってるならそう呼んでやろうか?」
「そうね・・・ところでなぜ”サンシル”なの?」
「ああ、それか――それは人格と常識を喪失してる上に・・・記憶までサンシル(喪失)したからさ」
「サンシルとはそういう意味だったの?」
怒りを露わにしたアンナをチョルスは抱き寄せた。
「だって本当のことだったじゃないか」
アンナは舌打ちした。チョルスを睨みつけた。
「チャン・チョルス、いい度胸してるわね」
「俺のサンシル、怒ったのか?」
チョルスはニコニコしている。
アンナはぷいとソッポを向く。
「やめて。気に入らない」
「呼びやすいから好きなんだろ? 俺もサンシルがいいな」
「やめて。いい加減にしてよ。イカれのチョルスが」
チョルスはアンナの憎まれ口にゴキゲンだ。好きになったらあばたもエクボ。憎まれ口もサワードリンクだ。
アンナもそんなチョルスを見て楽しそうに笑う。
チョルスはアンナを抱き寄せる。
「いっそのこと、チャン・サンシルはどうだい?」
「ほんとにそれがいい?」
これからの二人を暗示して、楽しそうな会話は潮騒のようにいつまでも止みそうにない。
終わり
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