雨の記号(rain symbol)

「王女の男」最終回から



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NHKBSプレミアムで放送された韓国ドラマ「王女の男」が終わった。
 愛し合う男女の恋を引き裂き、すさまじい戦いの続いた果てに突然訪れたどんでん返しのハッピーエンド。
 こういう仕立てはこじつけの臭みが残って安っぽい感動になりがちだが、どういうわけか妙に後味がいい。濃厚な肉料理を楽しんだその口に、草原の匂いを満たしたガムを押し込んでもらったような、すがすがしい気分が胸に広がるのを覚えた。
 戦争下の恋を扱うのは難しい。凄惨な戦いの続く現実下では、男女の恋などちっぽけな火花に過ぎない。砲撃の合間を縫って恋はこそこそ行っていくしかないからだ。リアリティを追えば追うほどこれはチマチマしたものとなって、多くは添え物としての役割しか果たさず、センチメンタルな感傷しか残さないのが常だ。
 しかし、「王女の男」は恋を同等レベル、いやそれ以上(普遍)のものとして、戦争に真っ向から対峙する姿勢として描かれた。
 僕はこの展開に引かれて「王女の男」にはまった。
 戦争の宿命に支配されて流れ続ける多くの者たちのおびただしい血。ひと組の男女の燃え滾る恋はそれに抗するものとして具現した。敵と味方の位置に置かれながら、二人の愛は少しも変ることがなかった。
 ラストシーンはその象徴として締めくくられている。戦いに勝ったスヤン大君は反乱軍の影におびえて眠れぬ日々で老成し、目をつぶされ、反抗の手立てを失って敗北者となったキム・スンユは愛する妻と子を得て安息の日々を過ごしている。
 どちらが幸せなのであろう・・・?
 「王女の男」はラストの数分間を描くために戦乱と混沌の長い時間が用意してあったかのように感じる。
 この数分間で僕の手の中にあった汗は消えた。
 演技でとやかく言われたりしたが、このドラマでムン・チェウォン演じるセリョン王女に出会えたのは実に幸せであった。彼女はいい女優になった。
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