久しぶりにチョン・スンハ少年のギターが聴きたくなってユーチューブへ出向いた。
まず某ギタリストの(カノン変奏曲 )を聴いて、次にチョン・スンハ少年の音楽を聴きだした。(Canon Rock )(Someone Like You )(Hotel California )以下十曲ほどの名曲を聴くと一時間半があっという間に過ぎた。
それらの曲を聴いて僕は思った。
「チョン・スンハは今後K-POPの一翼を担う大スターに成長するかもしれない」
と。
「大げさな」と思われる人もいるかもしれない。
K-POPスターと言ってもステージに出て歌うわけじゃない。踊るわけでもない。これといったパフォーマンスなしにポピュラー音楽をギターで体裁よく奏でるだけのギター弾きにすぎない。
歌うことの出来ないギター弾きがこれからを担うK-POPスターの一人に加わるなんて妄想や愚見もいいところじゃないか、と。
天才的なギター少年として、彼がユーチューブで圧倒的な人気を呼んでいるのは数年前から知っていた。
時々、ユーチューブに出向いて彼の弾く音楽を集中的に聴いたりしてきた。彼の音楽を聴くたびに凄いものだと思った。アクセス数もコメントも山のように膨れ上がっていってた。
そこでは5、6歳の頃に始まる彼の作品群がずらずらと並ぶ。今まで(16歳)の成長の足跡をたどることもたやすい。
実績あるギターマンとのジョイントセッションをこなし、最近の彼の成長振りには目を見張るものがある。
アップされた動画のアクセス数はすでに五億にも達しているという。
世界方々に出かけてのライブ活動も二、三年前から積極的に始まっている。日本にもやってきてライブを行い、成功を収めた。
それらはもちろん掌握していたが、東京ドームに満員の客を集めるK-POPスターたちと比べると地味な印象は否めなかった。
いくらギターテクニックがすばらしくても、ロック歌手には遠く及ばない。声のないミュージシャンなどしょせん縁の下の人間なのだ。
歌わない限り、この少年もそのうち消えていくのだろうな、と思いながら彼の音楽を久しぶりに聴いていたわけだった。
繰り返しアップされてくる(Hotel California )には、彼の成長ぶりが如実に感じられる。ライブなどは演奏が終了すると物凄い歓声と拍手が起きる。
それに深々としたお礼で応える彼。時に英語や日本語、中国語で話す彼。実績は確実に積んでいるようだが、いつまで引き合いが来続けるというのだろう・・・。
他人事ながらそんな心配など覚えながら、彼について検索を始めたら、ワンダーガールズの音楽に合わせて踊っている彼の映像にぶつかった。
帽子をかぶっているので最初はK-POPの若手歌手かと思った。
何か空港内の映像のように見えるが定かには分からない。誰かに向けて黄色い声のファンが群がっていて、彼の動きにつれて波のように人垣が動く。するうち音楽が流れ出し、彼を含む数人の者が踊りだす。
よく聞き取れなかった音楽はワンダーガールズの「NOBODY(ノーバディ)」だった。
踊りの中心にいるのがラフなシャツ姿で帽子をかぶったスンハ少年だった。背はだいぶ伸びたようでスタイルもいい。顔立ちも端正でモテそうである。
お世辞にも上手なダンスとは言えない。しかし、振りは間違っていないし、リズム感も悪くない。練習に精出せば上手くなるのは早そうである。そんな彼に向けられる声援はすごい。ひっきりなしに黄色い声が飛ぶ。
数人で始まったダンスは少しずつ彼の後ろで拡がり、やがて大団円になった。
どうやら今年の6月にマレーシアの空港を訪れた時の映像のようである。マレーシアはK-POP熱の高い国で、フラッシュモブを見た感じではファンらのダンステクニックは相当である。タイのフラッシュモブの力量に迫るものがある。
それで期待して一連の映像を視聴したわけだった。
大勢のファンに包まれて、チョン・スンハはアデレの(Someone Like You )を弾き始めた。しっとりした名曲だが、彼のバージョンはファンらによってよくカバーされている。
おとなしくチョン・スンハの調べに耳を傾けていたファンたちだが、いつしか合唱が始まった。歌声はどんどん大きくなり、これまた彼とファンによる大団円の合唱となった。
演奏が終わった時、ファンたちは悲鳴のような歓声をあげた。
この時、僕は思った。
「なるほど。こういうのがあるじゃないか」
K-POPは「見る側が真似て参加し、一緒に楽しみ、親しんでいく音楽」と言われる。
彼の弾く音楽に合わせて歌い、一緒に楽しみ、親しんでいくのも、立派にK-POPと言えるのではないか、と。
彼はこうするためにギターを覚えてきたのではないだろうが、K-POPとドッキングする視座は得たように思われる。
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