雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「イケメン(美男)ですね」第12話(2)




韓国ドラマ「イケメン(美男)ですね」第12話(2)
Korean drama "You're Handsome" Episode 12 (2)



 ミニョの空想の中でテギョンは語った。
「どうしてだろうな。どうしてかって・・・お前はどうしてだと思うんだい?」

 ミニョはホッペを叩いた。身体の火照りと花火は収まりそうにない。

「違うわ。兄貴はそんな人じゃない」
 ミニョはあらためて問いかける。
「兄貴、どうしてなんですか?」

 ピアノを弾く手を止め、テギョンは問いかけに応じる。
「ほんとどうしてなんだろうな、コ・ミナム」
 やさしく微笑みかけてくる。
 
 ミニョの中で花火は打ちあがり続ける。
「花火が終わりそうにない。どうしよう・・・!」

 ユ・ヘイは性懲りもなくテギョンにまつわり続けようとしている。
 夜の帳を開いて彼女はまた出現した。
「修道女だってことを話せば、あそこからミナムを追い出せるかしら。いいえ、簡単に考えちゃダメだ。今度は慎重にやらないと」
 そうしてA.N.JELLの事務所に到着した。
 運よくテギョンが出てくるところだ。
 彼を先に見つけてユ・ヘイはつぶやく。
「私を好きになればすむのに・・・まだ怒ってるわよね」
 ユ・ヘイのそばまで来てもテギョンは彼女に気付かない。気付かず横を通り過ぎようとする。
「テギョン!」
 ユ・へイは後ろから声かけた。
 テギョンは立ち止まった。ユ・へイは歩み寄った。
「まだ、怒ってる?」
「怒ってもないし、話すこともない。俺は取り込み中で相手してる暇はない。帰れ」
「腹も立たないですって? 私って何なの?」
「・・・」
「きれいで人気もあるのに気にもかけないの? 韓国最高のカップルにも選ばれたっていうのに・・・私に興味が湧きもしないの?」
 テギョンはそれを話すのもメンドくさいとばかりため息をついた。
「そうだ。お前がきれいで人気があるのは事実だ。しかし、俺たちの関係は嘘でかためられている。勘違いするな」
「じゃあ、ミナムが勘違いしたらどうなの?」
「・・・」
 少し時間が流れた。
 テギョンは口を開いた。
「あいつは勘違いしない。バカでプライドもない奴だ。ありえない」

 そこにミニョがふらふらした足取りで出てきた。 火照りの残るホッペを両手で押さえたままテギョンたちに気付く。
 ホッペから両手をおろす。夢見気分から覚めたようだ。
 ユ・ヘイがミニョに気付いた。
 目が合い、先にミニョが目を背けた。彼女が一番苦痛を感じるのが二人の場面だった。

「コ・ミナムの何がありえないですって?」
 ユ・ヘイはわざと大きな声で言った。
「いい加減にして帰れ」
「だったら、テギョンも勘違いしないで」
「・・・」
「コ・ミナムは男よ。女じゃないわ」
「俺は・・・勘違いする人間じゃない。コ・ミナムは女じゃない。男だ」
「じゃあ聞くけど、ピンや洋服を買ったりしたのは何の意味もないのね?」

 ミニョはテギョンの次の言葉に全神経を集中する。

 テギョンは答えた。
「そうだ。何の意味もない。何でもないんだ」

(続く)







名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「「イケメン(美男)ですね」」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事