近未来の”ストレス社会”を予見させるK-POP

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近未来の”ストレス社会”を予見させるK-POP





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　2019年も多くのK-POPアイドルたちの活躍で沸き返った。
　ボーイズのBTS（防弾少年団）は、北米からヨーロッパを巡るスタジアムツアーを行い連日のようにテレビや新聞で取り上げられる人気ぶりだったし、ガールズのBLACKPINKもBTSに続いてワールドスターの仲間入りを果たす活躍を見せた。

　もちろんBTSやBLACKPINKの活躍だけが際立ったわけではない。彼（彼女）らに続こうとするボーイズやガールズのパワフルで活発なステージの押上げがあったからこそ、先頭に立つBTSやBLACKPINKの活躍がより目立っていたともいえる。
　現地の音楽メディアは世界レベルで人気上昇の続くK-POPに対して、テレビやラジオ、新聞やSNSを通じて連日フォーカスし続けているし、特集番組として組まれるケースも増えている。
　また、個人的な放送基地から発信されてユーチューブなどを賑わし、おびただしいコメントが飛び交っている。アンチまで招き寄せてものすごい賑わいぶりである。つまり、K-POPは田舎の過疎ではなく雑多な勢力も包み込んでいる都市に似ているのだ。
　世界各地の音楽市場もこれに見合った数字を膨らませてきているようである。

　アジア圏各国の音楽市場ではK-POPが常にランキング上位を賑わしている状況である。その勢いは陸を通じて南ではインドネシアからインド、インドからアラブを伝って広がっている。中国を通じてはシルクロードのコースをたどって西に向かい、北のコースではロシアに向けて直進している。海を隔てては北米や南米に飛んで着地し、各都市の広場でフラッシュモブとなり、賑わいを広げている。
　
　つまり、K-POPはグループパフォーマンスで音楽を祭り化して場を賑わせる音楽かもしれない。BTSやBLACKPINKの音楽はその頂点に立っていると言えるだろう。

　世界各国でこれだけ燃え盛ってくれば、本家本元のK-POPは熾烈な競争と淘汰に見舞われる。

　BAP、PRISTIN、f(x)？、GIRL’S DAY？　EXID、エトセトラ…

　今年も多くのボーイズやガールズが登場し、彗星のように姿を消していった。熾烈な競争に呑み込まれ、命まで燃焼させてしまった者もいる。
　表向きは華やかでもその奥には悲劇の影も滲ませている…K-POPは人の生存競争の激しさを垣間見せてくれる音楽で、”除夜の鐘”に通じるところもありそうである。そういえば賑やかで楽しくありながらどこかに”来る寂しさ”のようなものを反動として内包している。
　K-POPは近未来の”ストレス社会”を予見している音楽とも言えるかもしれない。



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