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雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「善徳女王」第32話

 トンマン王女の部屋を出てきたムンノは、そこで部屋へやってきたソファと鉢合わせする。
 その女がソファと気付いたムンノは、思いもしなかった現実状況の引き金となった彼女の昔の行動をなじり始める。
「どうして、あの子を連れ出したんだ。お前のおかげで、いったいどれだけの計画が狂ってしまったと思っているんだ」
「トンマン王女さまとまだ結婚させるつもりでいるのですか。誰の子供か分かっているんでしょう? 王様からは皇室とは関係なく、育てていってほしいとお願いされた子です。ピダムと結婚させるわけにはいきませんでした」
 ソファの言葉をぐうぜんピダムは耳にする。
「何だって・・・? 俺がトンマン王女と結婚? いったいどういうことだ?」
 トンマン王女と結婚云々の話から、これまで考えたこともなかった自分の生い立ちについて興味を覚え始めるピダムなのであった。

 そして、プンウォルジェを選ぶ日がやってきた。
 対決するのはポジョンとユシンだが、最初の問いをポジョンがスラスラと答え、答えられないでいるユシンは不利なように見えるのだが・・・。
(第31話)より

 プンウォルジェの資格は三つのピジェをクリアして勝利した者に与えられる。
 「ヨルソンカクに来る間、ナンドの格好をしていないファランは何人いた・・・?」
 ムンノの出した最初のピジェ(技比べ)だった。
 平時においての洞察力や注意力を試すのは、現代で言えば新聞記者採用試験の口頭試問みたいだ。面食らっている他の者をよそに、記憶力の優れているらしいポジョンは難なくこれに解答し、一問目を勝利した。
 ほくそ笑むミシル。悔しさでそんなミシルをにらみつけるトンマン王女。
 この一勝でポジョン側はすでにポジョンの勝利を確信しだしている。武術については自他ともに自分が当代の若手随一(一部異論も出るが)と思っているポジュンである。

 
 ソファとムンノのやりとりを偶然耳にしたピダムは、ソファの「トンマン王女をピダムとは結婚させるわけにいきません」と
言った言葉が頭を離れない。自分の出生と何かかかわりがあるとにらんだピダムは、そのことをムンノから訊ねようとする。しかし、ためらいもあって師匠に見つめ返されると口にすることができない。


 ムンノは続いて二問目を出す。
 新国の国号シルラ(新羅)はチンジ王が定めたもので先のチヌン大帝は、シルラ(新羅)という国号はファラン(花郎→硬軟兼備の武人たち? ちょっと花の慶次<傾奇者のあつまり>みたいなところがある)の三つの意味である、とおっしゃった、それを調べよ、というものであった。
 ユシン、アルチョン、トンマン王女らは集まってその解読を始める。
 そして、一つ目は「武力の増進」。二つ目は「新興勢力の育成」と解く。しかし、三つ目でつまづく。
 トンマン王女はふと、ムンノの投げかけてきた問いを思い浮かべる。
「王とは何だとお考えですか?」


 二問目の問題はミシルのたどってきた過去と大いに関わっていた。
 ミシルはチヌン大帝の遺言を隠し、チンジ王をその座に就かせた。ミシルは彼との間で子(ピダム)をもうけ、自らは王妃の座を狙うがチンジ王に拒まれる。ミシルはチンジ王を廃位に追いやり、ピダムを捨てたのであった。

 ミシルは、シルラ(新羅)500年の歴史を編纂せよ、との命を出したチヌン大帝を毒で死に追いやっている。
 彼女はポジョンらにこの意味を解いてはならないと伝える。
 
 ミシルはコチルブ公から、シルラ(新羅)の国史を編纂するにあたりチヌン大帝の御遺志を書き記して世に知らしめたい、と言われた日のことを思い出す。
 コチルブ公はシルラ(新羅)の国史編纂をやったが、三つの意味についての記述がない、どうしてですか、と逆に問いかける。書き忘れたのでしょう、とミシルは答えるが、説得力のある言葉とも思えない。
国史を書き直せと言ったミシル。出来ないと突っぱねたコチルブ公。さらにチヌン大帝の死に不自然さがあることを指摘された彼女は、御身を大切にしてください、と脅迫まがいの発言もコチルブ公に対して行っていた。

 ミシルはムンノを部屋に呼び、どうしてあのような問題を出したのか、と問う。
 ムンノは答える。
「シルラ(新羅)の三つの意味について書かれた国史のうち、三つ目について書かれたものがないのです」
「始めからないのでは?」
「国史全48巻のうちの第一巻が紛失し、編纂し直されています」
「それを私が書き直したとでも?」
「我が義父、コチルブ公はその頃に亡くなっています」
「・・・」
「ミシル様は三つ目の意味を知っておられるのではないですか?」
 ムンノの頭の中では、コチルブ公から、王に届けよ、と託された文のことが頭を巡っていた。王に文を届けて戻ってくるとコチルブ公は息絶えていた。あの文で、コチルブ公は何かを託そうとしていたと思い返すムンノであった。プジェの二問目にはその真相をつかみたいとの思いがこめられていたのであろう。それは同時にミシルへの疑念でもあった。

 トンマン王女はチンピョン王に会った。国史の第一巻の件を訊ねてみる。第一巻は紛失し、セジョンがこれを編纂し直したと聞かされる。せジョンはミシルの夫である。疑いを覚えるトンマン王女。
 さらにコチルブ公から送られたという文を見せてもらう。シルラ(新羅)の現状を心配する文章だが、それ以上ではない内容である。

 ピダムはとうとう自分の生い立ちについてムンノに問いただす。トンマン王女への結婚願望とその先の野望成就が頭から離れなくなったようだ。チンジ王の血を引いているというべきか、彼の悲劇がピダムの身にも暗雲として広がりつつあるようである。

 トンマン王女らはいろいろ動きまわって調べるうち、三つ目の意味を解くカギを握るのはコチルブ公の文だと知る。ユシンは「細密文字」、トンマン王女はマホウジン(謎かけ文字?)にたどり着いた。その文をひろげ、コチルブ公がチンピョン王にあてた文のマホウジン(謎かけ文字)の中から「ソヨプ刀」という言葉を導き出す。
 トンマン王女はこれまで守り続けてきた「ソヨプ刀」を取り出す。そこにはユシンの言った細密文字が・・・。

 さて、毎週楽しみで見てきているこのドラマだが、カットが多いせいか、エピソードだけつないでいる印象もぬぐいがたい。ドラマには「無用の用」の魅力というのがある。一見、大した意味合いを持たない場面が全体を活き活きさせるということもあるのだ。場面カットはどうしてもそのような部分から外されていくことになるが、すると躍動感や息抜きの場面が少なくなり、話のつなぎだけになっていって窮屈なところも出てくる。ドラマを楽しむ人はお気に入り俳優の何気ない表情を楽しんだりもするのである。
 話が重要どころにさしかかり、「無用の用」の魅力が不足気味になったところが残念な気もする。
 
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