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abemaTVで水曜日に韓国映画を放送している。
ソン・ジュンギとパク・ボヨン共演映画「私のオオカミ少年(2012年)」をやっていたので見た。
評判のいい映画は期待して見ようとするから出来栄えに対するハードルは高くなる。
ソン・ジュンギ&パク・ボヨン…人気も魅力も日の出の勢いの両者…わくわくの期待でもって見始めた。
だが、細部が不鮮明なモノクロっぽい画面の出だしに、「リアリティーを持たせるための工夫か…さては?」といやな予感を覚えた。
深刻な映画は近頃苦手になってきている。
しかしストーリーの流れは早く、語るべき話は47年前の世界にある。出だしの暗い画面の流れは逆に過去の世界を活き活きさせる効果を生んでいた。
☆黒澤明の代表作「影武者」がそうだった。冒頭で暗い画面がしばらく続き、パッと戦場シーンに切り替わった時の映像の鮮烈さはいまだに記憶に生々しい。
導入部の暗い画面は、ただただ淡々と過ぎ去った47年間のスニの体験と心象風景を反映させる狙いのこめられていた映像だったかもしれない。
物語は肺を病んでいるスニ(パク・ボヨン)の家族がきれいな空気を求めて田舎の空き家に越して来たところから始まる。
越して来た家は築何十年の古びた建屋だった。入り組んだ部屋を配し、どこかに幽霊でも潜んでいそうな造りをしていた。
陰気さの漂う家にスニは失望した。期待してやって来た分だけ損したような不満を表情を家族に見せた。
部屋に家具を運び込んで住まいの準備が続く中、納屋を見に行ったスニはそこから飛び出していった獣に驚かされた。夜だった上にいきなりだったから驚かされた。
しかし相手はすぐいなくなった。そのせいで恐怖心はすぐに収まった。ただ不気味さは抜けない。
ここには何か得体の知れない獣がいる、と母親に告げてその日は過ぎた。
翌日、スニは物陰で蹲っている獣を見つけた。唸り声をあげて威嚇をしてくる。今度は怖くなって母親を呼び寄せた。
「昨夜見た獣かもしれない」
「どれどれ…」
二人で手を取り身体を寄せて観察する。オオカミのような唸り声でこちらを威嚇しているのはボサボサ髪の少年だった。母親はスニに言った。
「な~んだ、男の子じゃないの」
少年は空き家だったこの家に棲みついている孤児だった。
何事にも物おじせず楽天的で好奇心の強い母親は少年を引き取ることにし、チョルスと名付けた。
心配してた獣はオオカミのように育った男の子と分かり、家族らの抱いていた心配や不安は取り除かれた。
だが、チョルスの粗暴さはそのへんの飼い犬やカラスより質が悪かった。食事で出された食べ物は、誰のものであれ見境なく横取りする。卓上を散らかしながら何でも自分の口へと放り込んでしまう。
スニは粗暴で下品なチョルスが嫌いになった。
しばらくはチョルスに関わらないことにした。
他の者は行儀が悪いだけのチョルスをそれほど疎んじていなかった。幼い子らに危害を加える様子もなかったからだ。
子細に観察していると、チョルスは食べ物に粗暴なだけで凶暴なところはあまり見られなかった。
ある日、スニは家族のやりとりからふと思い立った。
教えこめば犬だって出した餌をきちんと食べられるようになる。
子犬を躾けていくように粘り強く教えれば、ご飯くらいはみんなに合わせ食べられるようになるんじゃないか。いや、簡単な言葉なら覚えてくれるかもしれない。
スニは人助けのヒューマンな気持ちを揺さぶられた。
やるだけやってダメなら諦めればいい、と決意して始めてみたら、最初のうちこそうまくいかなかったものの、繰り返して教えるうちチョルスは呑み込みがよくなりだした。
「妹よりマシじゃないの」
スニはチョルスに言葉をひとつ教えられたことに充足した。
「いつかこの子に感謝される日が来るかもしれないわ…」
ここで描かれているオオカミ少年は、子供の頃、親にはぐれたとか、もしくは誰かに連れ去られたとかではない。オオカミやどこかの誰かに育てられたといった、ヒューマンストーリーとは一切縁を持たなかったようだ。
少年はひたすら孤独と飢えに耐えながら生きてきた。
しかも彼は生まれながらにして人間と狼(他の動物も?)の血を混在させていた…動物遺伝子研究の権威である学者が特務機関の指令(?)を受け、軍事利用を目的に造り出されてきたのがチョルスだった。
他の動物の遺伝子も引き継ぐ彼は、人並み外れた強靭な体力を持っていた。
ある日、家族とともに町の市場に出かけた時、工事中のビルの高い場所から鉄骨が落下してきた。気付いたチョルスは、とっさの判断でスニたちを両腕に抱え込んで落下物から守った。鉄骨は地面とチョルスの背中をほぼ同時に直撃した。
悲鳴が止み、あたりは静まり返る。周囲の視線はいっせいにチョルスたちに注がれた。数百キロの鉄骨から背中に凭れかかられながらチョルスは平然と立っている。スニたちの身体もチョルスの腕の中でしっかり守られていた。
チョルスがただの人間なら3人とも鉄骨の下敷きとなり即死していても不思議でないケースだった。
肩の打撲傷ですんだチョルスの細胞は検査に出された。検査結果は医師を通じてスニの母親に報告された。
「検査の結果、少年の身体からは狼の遺伝子が検出されました」
「…」
「驚いたことに象に匹敵する筋力を持ち合わせていることも判明しました」
どうしてこのように人間離れしたモンスターが生み出されてくるに至ったのか…それにはスニたちが生きた半世紀前の韓国にどのような事情と背景が広がっていたかを考えてみなければならない。
当時の朝鮮半島は、国が二つに分断され民族同士が血を血で洗った凄絶な戦争を経験して間もない頃だった。
当時の韓国は北の共産主義(王宮国家?)に対抗する
ために軍国主義社会を形成していた。両者は武を誇って公ににらみ合い、裏では諜報部員を暗躍させ、時には闇から闇に葬り去った人間もいたかも知れない時間が現実のものとして流れていた。
何事も軍事優先で動いている時代だったから、軍事目的で人間兵器が研究される機関や研究所が出来ていたとしても不思議のない状況を呈していた。
実際、第二次大戦中はどこの先進国も、戦争目的であらゆる兵器づくりを行っていた。
チョルスは戦争下で名声を得ようとした機関や学者によって造り出された人間兵器の卵だったのだ。
だが、チョルスを造り出した当事者はチョルスを人間兵器として育てあげる前に世を去ってしまった。
その結果、チョルスは人間兵器としてでなく、オオカミ少年として世に溶け合わない人生を否応なく始めることになってしまったのだ。
チョルスが言葉を持っていなかったのは、彼の幼い時期に保護者たる学者が孤独に世を去った可能性がある。
このことは彼にとって一つの幸運だったかもしれない。
このように醜悪な環境と背景の中を一人で生きて行かざるを得なかったチョルスだった。だが、周囲の醜悪な人間たちに触れず孤児の生活を送ってきたからこそ、生まれた時の純朴な心を彼は保っていられた。
これが偶然にしろスニの家族に拾われた二つ目の幸運につながった。自分の純朴な心を見つけてくれたスニに言葉を教わり、一人の男として彼女を愛せる時間も持てたから。
「私のオオカミ少年」は表面的に童話のような美しい恋のストーリーを描き出している。しかしその奥では、生き別れになった家族、恋人等、戦争下で惨たらしい生き方にさらされた当時の人々の異常な境遇と苦しみをチョルス(オオカミ少年)が圧縮された形で体現させられている。その悲しみは大きく、じつに切ない。
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