列車事故の原因が速度超過と急ブレーキによる“人災”というのがどうやら濃厚になってきたようだ。そして【JR西「営業優先」の死角、1秒単位で遅延チェック 事故やミスで「恐怖の日勤教育」 】という過密ダイヤという問題点もようやく報道し始められた。もちろん運転手の過失は論外だけれども、資質の問題だけでなく、「運転士は、運行上のミスが許されない無言のプレッシャーをかけられ、死と隣り合わせの危険域での運転が日常化していた」「少しでもミスを小さくしようと、事故現場のカーブまでの直線部分を利用して、遅延を取り戻そうとしたのは明らか。運転士たちは、カーブに到る比較的長いこの直線部分を「時間稼ぎの場」と呼び、遅れを取り戻す絶好のポイントととらえていた」ということを抜きに事故原因を考えるわけにいかないだろう。【過去最高益の目算一転… 100億円規模損失は必至 スピードアップで乗客増加も 】「16年度は台風や新潟中越地震の影響があったものの、一昨年の新幹線ダイヤ改正効果が続き、京阪神で新型車両の新快速、快速を充実させ、スピードアップを図り、通勤客らを囲い込んだ。この結果、売上高は前年より増えて1兆2200億円に迫り、当期純利益は過去最高の見通し」「だが、今回の事故で、そのもくろみは完全に外れた。垣内氏ら首脳は辞任必至なうえ、復旧のめどがたたない福知山線宝塚-尼崎間では、1日当たり3000万円近い減収が続く。犠牲者や負傷者の補償、電車が突っ込んだマンション住民への補償も予想され、100億円規模の特別損失が生じるのは必至」←企業が収益を上げようとするのを“儲け主義”と揶揄するつもりもないし、方向が間違ってるとも思わない。ただ限度を越えた負担に耐えられない者への配慮が果たしてあったか、それについては甚だ疑問。問題は山積しているけれども、未熟な運転手によるオーバーラン、猛スピード、急ブレーキ、脱線事故・・・こんな異常な事故が2度と起きる可能性はゼロに近い。一度起きると大惨事となる列車事故や飛行機事故はニュースバリューが高いゆえに大報道の対象となるのであって、それでも鉄道は自動車と比べれば桁外れに安全な移動手段であることに変わりはないのだ。自動車では毎日25人も交通事故で犠牲になっていることも記憶に留めておきたい(関連サイト:現在の道路交通の問題)。
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