第1室 日本の高速道路の黎明期 (工事中)
■日本の高速道路計画に大きな足跡を残した(旧)田中研究所(静岡県沼津市)
現在の富士製作所(静岡県沼津市、製材機械の製造・販売)の創業者である田中清一(明治25年9月3日~昭和48年11月27日)は、昭和22年(1947年)、「平和国家建設のためには食料・資源の自給自足のための国土の立体的活用が必要であるとし、山岳地帯の多い日本国土において山岳部(日本の背骨)を貫く自動車道(現中央道・中国道)を軸とする全国高速自動車道路網計画を含めた「平和国家建設 国土計画大綱」を立案し、当時の内閣ならびにG.H.Q(連合国軍総司令部)に提出した。この計画はG.H.Qから日本再建のマスタープランとの評価を受け、G.H.Qにより「田中プラン」と命名された。」(富士製作所のホームページより引用・転載)
田中清一の活動拠点であった(旧)「田中研究所」が富士製作所に隣接して現存してあり、田中清一が残した貴重な資料が保存保管されている。
展示写真(以下4葉)は、田中清一の親族である田中清明様(富士製作所代取締役社長)のご協力をいただき視察が叶った際の内部撮影写真である。(敬称略)
■日本の高速道路計画について貴重な提言した交通経済学者・今野源八郎の旧蔵書
今野源八郎先生の旧蔵書が福島大学附属図書館に所蔵されてい。その経緯は同図書館が発行する機関誌「書燈」No.34とNo.53に紹介されている。
同図書館には旧蔵書の目録が備えられていて、高速道路関連資料を選んで閲覧することができる。
「福島大学付属図書館提供」
「福島大学付属図書館提供」
■名神高速道路・東名高速道路の建設にあたって、そのサービスエリアや高速道路管理施設の建築設計に、日本を代表する多くの有名建築家が活躍した。 彼らの建築設計を東名・名神高速道路に続く「新規五道」の一つ東北自動車道にも見ることができる。
NEXCO東日本東北支社の仙台管理事務所棟は佐藤武夫の設計。佐藤武夫は日本建築学会元会長、同名誉会員、日本建築家協会終身正会員、英国王立建築家協会名誉会員、日本芸術院賞受賞者で、仙台管理事務所棟の他に泉IC料金所棟、白石IC料金所棟などを設計している。 仙台管理事務所棟は老朽化してしまい、近く新築が予定されている。
仙台管理事務所棟が建つ東北自動車道仙台宮城ICの料金所ゲートは、ル・コルビジェに師事した板倉準三が設計したPCプレキャスト製。モダニズムを彷彿とさせるこの料金所ゲートは、日本の高速道路の「顔」として親しまれたが、耐震性に課題があるとの理由から、全国で鉄骨製のゲートに改築する工事が一斉に進められていて、PCプレキャスト製ゲートは姿を消しつつある。
仙台宮城IC 202111021撮影.jpg