Phonograph×Photograph

競馬場の達人を目指し、予想・血統・写真・旅打ちの記録を綴るブログ

第64回有馬記念予想 ~まるでジャパンカップ~

2019年12月21日 18時51分08秒 | 予想

第64回有馬記念(2019.12.22)
◎アーモンドアイ
○スワーヴリチャード
▲キセキ
△ワールドプレミア
△サートゥルナーリア
☆リスグラシュー
注スカーレットカラー

アエロリット、クロコスミア、スティッフェリオ、キセキ、ヴェロックスと逃げ先行馬が揃ったのでペースが遅くなることは無いはずで、また外枠で先に仕掛けたいシュヴァルグラン、スタミナ自信のドイツ血統ヴェロックスやワールドプレミアも居るので、5Fロングスパート戦になると見ている(スローだったら本当ショック)

そうなると総合力の高い◎アーモンドアイが勝つビジョンしか浮かばない。まず勝てると思う。


そして持久力なら○スワーヴリチャードと▲キセキのトニービンが有効だろう。トニービンは東京向きであまり中山が得意という血統では無いが、両者は以前に有馬記念を走った経験があり、それぞれ14番枠4着、14番枠5着。苦手というほどでもないはず。

△サートゥルナーリアや☆リスグラシューは良血シーザリオとRivermanナタ斬れが特徴で、これまで瞬発力勝負で好走してきた。スローだったなら直線で弾けて安田記念のインディチャンプのように一泡吹かせることも出来ると思うが、予想するロンスパ展開なら最後の坂で一歩劣る可能性が高い。


特注は×スカーレットカラー。今の中山芝は内を通ってスタミナを温存しないと殆ど馬券にならない内枠天国。中山競艇場と言った方が相応しい。この馬も瞬発力型で展開は合わないと思うが、1枠1番、最内の岩田ということで穴として抑える。
また、スワーヴリチャードが対抗になった理由も1枠ということが大きい。逆にキセキの11番枠はかなりキツイと思っているが、おそらく外のアエロリットをやり過ごし、内目の番手につけることが予想されるので及第点とした。ムーアも土曜日の競馬ぶりでその辺りを掴んだように見えた。

フィエールマン鞍上の池添は一発を狙うときは、後ろで貯めて外を回す競馬が多いので、今の馬場にはその騎乗は相応しくないこと、ディープインパクト産駒向きの馬場でないことから消し。7枠以降の馬も無条件で消し。


最後に、印を打ってから気付いたのだが、この印上位3頭は18年ジャパンカップの上位3頭であり、あのレースは世界レコードの超高速馬場での究極の持久力勝負だったのだ。

平成の衝撃から約1年、令和でもあの衝撃が蘇る。


第80回菊花賞血統予想 ~令和最初の「下る力」~

2019年10月19日 01時00分24秒 | 予想

菊花賞
◎ザダル
○ヒシゲッコウ
▲ワールドプレミア
△ヴェロックス

◎ザダルは恐らく京都外を下るのが非常に上手い。
これまで関東圏でしか走っていないが、中山の3〜4角の下り、東京の坂を登った後の加速がとてもスムーズで前肢の運びが滑らか。2周目の坂をSir Gaylordクロスで綺麗に下れるはずだ。皐月賞馬、ダービー馬不在の菊花賞ならクラシック不出走組が大仕事をしてもおかしくない。



京都外を下るのが上手い血、「下る力」のある血統と言えば、Pricely Gift、Sir Gaylord & Secretariat兄弟、Caerleonあたり。サッカーボーイやステイゴールド産駒達(オルフェーヴル、ゴールドシップ、フェノーメノ、レインボーライン等)はもちろんのこと、最近でもキタサンブラックやフィエールマンなど枚挙に暇がない。カレンミロティックもハーツクライ産駒の割に京都が上手いのは母系のSecretariatとCaerleonのお陰だろう。

ザダルに関しては、マイルCS1着、春天2着、菊3着と距離問わず京都外回りを得意とした父トーセンラーの影響は勿論のこと、Sir Gaylord 7×6クロスの影響も強く感じさせる。

絶好の1枠1番に入り、インのポケットにさえ入れられれば京都なら4角〜直線で馬群がバラけるので前が開くチャンスはやってくる。前走セントライト記念で馬込みでも捌けることは確認済み。
石橋ジョッキーには自信を持って乗ってもらいたい。


○ヒシゲッコウはマイルCSを勝ったステルヴィオの3/4弟で、母系にPricely Giftがあるので穴人気していようと京都外なら買い。フランスの名手スミヨンが乗るのも好材料だ。

神戸新聞杯3着馬は抑えるべきなので▲ワールドプレミア。京都の長距離は向いていそうだけれど、フルゲートでスローになると届くかどうか。武豊は少し仕掛けるようなコメントを残しているのが不気味。

実力最上位△ヴェロックスも一応入れる。ハーツクライを始めとする後輪駆動のトニービンは京都外があまり得意でないのと、とても立派ではあるが少しコロンとした体型で長距離は本質的に向かなさそうなのでヒモ扱い。



~買い目~
 ザダル単複、1頭軸3連単マルチ、ヒシゲッコウとの馬連ワイド


第98回凱旋門賞予想 ~She is Enable!~

2019年10月06日 19時16分24秒 | 予想

Prix de l'Arc de Triomphe
◎Enable
○Valdgaist
▲Magical
△Japan

◎エネイブルの史上初の3連覇は今の彼女とデットーリの順調さからして間違いないだろう。名は体を表すが如く、不可能を可能に出来る馬だ。

相手はエネイブルを物差しに、どのくらいやれてきたかを重視

○ヴァルトガイストは遠征時に勝ちきれていないが、プリンスオブウェールズ、キングジョージとエネイブル相手に3着と大きく崩れず、地元フランスで前哨戦を快勝しての参戦。上位争いは必至。


展開としてはキセキが前走で溜め逃げ出来ないと判断したスミヨンが比較ペースを流すだろうと見ているので、A.P.オブライエンのガリレオ軍団の底力をマークしたい。

▲マジカルはBCターフ、エクリプスS、ヨークシャーオークスでエネイブルに迫るも突き放されて惜敗。しかし愛チャンピオンSを見るに欧州トップクラスの実力はあるので3着位内の確率はかなり高いと見ている。
△ジャパンは前走で強豪で今回残念ながら出走が叶わなかったクリスタルオーシャンを競り落としたくらい実力をつけてきている。3歳の斤量差で一発あるならこの馬とムーアだろう。

ソットサスは人気しているが、倒してきた相手が弱い。相手関係的によほど上手く立ち回らないと馬券内は難しいと見ている。


・日本馬について
個人的で勝手な意見だが、日本馬が凱旋門賞で勝ち負けするには以下のどちらかが必要だと考えている。
①三冠馬
②宝塚記念を圧勝

①は能力値。いつでもどこでも強い馬、走力が絶対的に高いということ
…ディープインパクト、オルフェーヴル
②は適正。開催後半で芝が傷む荒れ馬場の中、レベルの高い日本の中距離馬のメンツを抑えること
…ナカヤマフェスタ、オルフェーヴル、(ディープインパクト)
エルコンドルパサーももし出走していれば圧勝できたのでは無いかと妄想している

アウェイで勝つには、それだけのディスアドバンテージを克服するだけの何かを持っていないといけない。ただ強いだけじゃあ勝てない、よって今回は厳しいと見ている。

最先着はブラストワンピースかな。

もちろん、勝てなくても挑戦はどんどんして欲しい。遠征を繰り返すことで、馬の調整のノウハウはもちろん、スタッフや騎手の心構えも変わる。馬は人の気持ちを汲み取れるくらい頭の良い生き物らしいから、調教やお世話する人間の心が浮ついていればそれが伝わり、レースに良い影響が出る訳がない。堂々と本番を迎えられるだけの経験もチームジャパンには必要だ。
今回はノーザンファームのチームはイギリスで最終調整を行ってからフランス入りすることにした。これも新たなチャレンジ、評価したい。

いつの日か、日本馬の悲願が叶うことを祈って、今夜はEnableの3連覇を見届ける。


第69回安田記念予想 〜オセアニアの底力〜

2019年06月01日 16時15分50秒 | 予想

第69回安田記念

◎フィアーノロマーノ

◯インディチャンプ

▲アエロリット

△ダノンプレミアム

△ステルヴィオ

△モズアスコット

 

 

アーモンドアイは無印?いやいや、予想するまでもなく1着ですよ。もう僕らがあーだこーだ言う領域にありません。

後方からだと届かないとか皆んな少し勘違いしている。彼女は既に全盛期ロードカナロアの走りを、即ちいつでも超一級品の脚を使えるようになっている。それが前半なら先行、後半なら差し。レースの展開次第で鞍上の思うがまま。ルメールが乗るならまず間違えない。

 

 

本当はニュージーランド生まれの香港最強マイラー、ビューティジェネレーションが出走していればアーモンドアイとの一騎打ちが楽しみでしたが回避で残念。

 

 

内枠に入ったアエロリットの逃げで、ヴィクトリアマイルVM同様淡々と早いペースが想定される。加えてこの春レコード連発の府中の超高速馬場だ。結果を出している血統には偏りが見られる。

・ロジャーバローズ、ノームコア、カテドラルなどが持つ平坦ペースに強いDanzig

・ダノンキングリー、ラヴズオンリーユー、カレンブーケドールが持つ高速巡航能力の高いStorm Cat

・更にボストンハーバー(クロコスミア)、Medicean(アドマイヤマーズ)、クロフネ(クロノジェネシス、ノームコア)らの米血もハイペースに強い

 

 

◎フォアーノロマーノの父は豪州スプリントG1馬のDanzig系Fastnet Rock、母父はStorm Cat系、母系は米血と、まるでこの紙面の都合に合わせたかのように特注血統を持っている笑

サンデーサイレンスSSは一切無いが割引材料にはならない。安田記念というレースは緩急の少ないハイペースになりがちで、SSの溜めてキレる特徴が邪魔になるケースが他G1と比べて多い。事実過去10年の優勝馬の半分、モズアスコット、ロードカナロア、ストロングリターン、ショウワモダン、ウオッカの5頭はSSを持っていない。

 

前走ダービー卿CTでは、マルターズアポジーの作った前半3F33.9, 4F45.1の猛ペースを3,4番手で悠々追走して直線抜け出して勝利。2着にはVMでも2着になったプリモシーン(母父Fastnet Rock)。フォアーノロマーノもアエロリットとの相性は良さそうだ。

 

 

また、過去10年の安田記念3着内馬の平均馬体重は498.7kg。大型馬が来る傾向にあり、純粋なパワー・筋力が求められるレースでもある。フォアーノロマーノは540kgを超える超大型馬。フォトパドックでも筋肉の大きさが一際目に付いた。

 

実績は少し物足りないが、十分上位争いできる材料を持っていると思う。

 

 

他にも気になる馬は多いが、なにぶんこの好メンバー、手を広げるとガミる可能性が高いので、人気そこそこの本馬とアーモンドアイとの馬単、馬連、ワイドでガッツリ勝負してみたいレースだ。



第86回東京優駿(日本ダービー)予想 〜ロードカナロア vs.トニービン第2ラウンド〜

2019年05月26日 02時41分07秒 | 予想

第86回東京優駿(日本ダービー)予想 

◎ヴェロックス
◯サートゥルナーリア
▲ランフォザローゼス
△リオンリオン
△アドマイヤジャスタ
☆クラージュゲリエ

高速馬場、東京芝2,400m、ロードカナロアとトニービンの真っ向勝負。思い出すレースがある。そう、昨年のジャパンカップだ。

2〜5着が全てトニービン持ちだったように、レコードペースの消耗戦という明らかにトニービンのゾーンに持ち込んだキセキと川田将雅を、アーモンドアイとルメールはいとも容易く差し切ってみせた。将雅がゴール直後に後ろを振り返って3着との着差を確認していたシーンがとても印象的だった。

現地で見ていて本当に感動したし、ああこれが望田師匠の言う「なのにの名馬」なのか、こういう配合でこういう特徴があるからこういうレースに強い/弱いといった、理屈に沿った「だからの一流馬」を全て置き去りにする、純然な力の差。久し振りに見せ付けられたな、アーモンドアイは正真正銘の本物だなとレース回顧しながら感慨にふけった。ドバイの圧勝も当たり前だと思う。


さて、今年のダービーの注目は間違いなくロードカナロア産駒のサートゥルナーリア。皐月賞を勝ち4連勝中で既にG1を2勝。圧倒的1番人気も頷ける。
そしてその皐月賞で2着になったのがヴェロックス。なんの偶然なのか、ヴェロックスの鞍上は川田将雅で、ジャスタウェイ産駒なのでトニービンを持っているのだ。

川田将雅の逃げ、早め先頭のポジションから押し切る成績は凄まじく、
・2017年以降、芝2000m以上、4角位置3番手以内で検索すると
 (34,27,15,15,9,30) 単回収156円、複回収101円

前で受けてストライドを伸ばすトニービンとは間違いなく相性が良い。ダービーの勝ち方を知っている彼なら間違いなく先行競馬を敢行してくるだろう。
レースを作るのはルーラーシップ産駒でトニービン持ちのリオンリオン、展開はトニービンに傾くと思われる。


サートゥナーリアは強い。シーザリオの子供が苦手としていた中山の坂を2歳時から克服しているのは能力の絶対値が図抜けている証拠だろう。
ただ、鞍上がルメールではないのがほんの僅かな隙。全員が競馬人生を賭けて勝負に来るダービー、テン乗りのレーンがエスコートし切れるのか。
「この馬はここまでなら出して行ってもかからない、このくらい追い出せば良い脚を使う、ここから仕掛ければ最後まで持たせられる」。そういった信頼関係があってこそ刹那の駆け引きの中で馬を動かせる。ドゥラメンテもワンアンドオンリーもマカヒキもレイデオロも、そして昨年のワグネリアン福永祐一も、皐月賞の追い込みから明らかに前に意識を持っていって勝った。人馬一体で掴むレースこそダービーだ。

ロードカナロア&ルメール(レーン)と
トニービン&川田
平成最後のジャパンカップの続きを、令和最初の日本ダービーで我々は目撃することになる。



■追伸
この2つの極端なデータというかジンクス的がある。
サートゥナーリアが「なのにの名馬」なのか。そういう視点でも面白い。

データ①
1986年以降、1~3着に入った馬を前走騎手で分けると明らかな傾向があり、乗り替わりでの1着はここ33年で一度もない。
・継続(33, 24, 25)
・乗替(0, 9, 8)

データ②
日本ダービーは1番人気が圧倒的に強く、さらに1倍台になったのは過去33年中6例。内訳は
5勝:ドゥラメンテ、ディープインパクト、スペシャルウィーク、ナリタブライアン、トウカイテイオー という錚々たるメンツ
1敗:2007年フサイチホウオー(1.6倍、勝ったのはウオッカ)のみ