Phonograph×Photograph

競馬場の達人を目指し、予想・血統・写真・旅打ちの記録を綴るブログ

POG17-18

2017年07月29日 17時37分19秒 | 血統考察
今さらPOGネタ

まずは昨シーズンの振り返りから。

ウインブライトがスプリングSを勝ち、皐月賞、ダービーに出走!
スプリングSは直線大興奮でしたねー。あれほど「ブライト~!」って叫んだ人はアムロ・レイ以来ではないでしょうか。
本番は高速馬場に泣き結果が出なかったですが、まだまだ緩いと陣営も言っているしまだまだ先まで見込める馬だと思います。ノーザンテーストは3度成長する、今後も応援していくよ。

そして圧倒的2,3着の多さで馬主孝行なPO馬達でした 苦笑
コンセプトとして、実際一口に入るならこのくらいの馬だろうなあという視点で選んでいたこともあり、未勝利戦から掲示板内を連発。POG的には苦しい戦いだった。


さて、今年の指名馬の紹介です。
ウインブライトくらい自慢出来るように頑張って選びました。




【牡馬】
・シンハラージャ(オルフェーヴル×シンハリーズ)
前ブログ『種牡馬オルフェーヴルを考える(その2)』を参照
http://blog.goo.ne.jp/himaruya_furlong/e/55c2926eb026abf298c23b9e5f82b149
→オルフェーヴルとSadler's Wellsはニックス説


・トーセンヴィガー(トーセンホマレボシ×ペルヴィアンリリー)
今年の個人的配合No.1。アドマイヤエイカンの下。
種牡馬トーセンホマレボシやカンパニーはフレンチデピュティと相性が良い。ブリリアントベリー=キョウエイフォルテ=エヴリウィスパー全姉妹とフレンチデピュティのニアリークロスが理由で、この組み合わせを持つJRA出走13頭全てが勝ち上がり。本馬はそこから更にミスプロ、War Admiral×La Troienneも組み込むことで深化させエヴリウィスパー≒ペルヴィアンリリー 2×1となっている。
オーナーはトーセンホマレボシの島川氏で馬名は「トーセンヴィガー(活力)」。まさに活力溢れた配合。ここ2年連続で勝ってる、何故その種牡馬で勝てるの!?シリーズ;「サウジアラビアRC」が狙いだろう。


・ヒルノオークランド(ダイワメジャー×リトルリスキー)
☆望田師匠提唱「ダイワメジャー黄金配合」
(1)ニアリーDroneな血(Sir IvorやCaerleonやPast ExampleやRed Godなど)をHaloに合わせてスピード&機動力アップ
(2)「Hyperion+Donatello」やLe Fabuleux≒WordenなどをLady Angelaに合わせてPretty Pollyいじり
(3)斬れ味に欠けるダイワメジャー産駒が大レースを勝ちきるには先行ごり押ししかなく、Wild Riskの燃える気性を母から取り込み、うなりながら先行するぐらいの馬が大成する
(4)マイルG1をうなりながら先行ごり押しするには母父に底力が必要で、Grindstone(Kダービー)、トニービン(凱旋門賞)、オペラハウス(Kジョージ)のような本格派中距離馬の肌から大物が出る
メジャーエンブレム、カレンブラックヒル、コパノリチャードはこれら全てを満たしている。

本場は(1)Haloクロス、(2)BustedがDonatello持ち、(3)母はWild Risk7・7×8、(4)母父Authorizedは英ダービー馬 でパーフェクト
今年のボンセルヴィーソ以上には走るはずだし、馬券でもお世話になれそう。


・マイネルグリージョ(ブラックタイド×フローラルジュノー)
ブラックダイドはスタミナに富むので、母や母父がスプリンターで先行力を付与する形が良い。本馬は母短距離で3/4同血にマイネルフロストだからブラックダイドとの相性は証明済み。母父がグラスワンダー→タイキシャトルに変わったことで適距離は短く、適コースは外回り寄りになるはず。
既に出走済みで新馬戦では競馬にならなくて10着だった。夏休みを経て成長することを願う。相沢厩舎でマイネルだから大知か脩を乗せて東京マイルを内枠で先行する競馬が向く。ベゴニア賞で見たい。


・シゲルゴボウ(ルーラーシップ×マリアローザ)
シゲル野菜シリーズの出世魚を1頭。決してふざけている訳ではない。
Ballade牝系の良血。フジキセキのところがNorthern Dancerアウトで全体として3/4Northern Dancerクロス、1/4サンデーサイレンス異系。Mill Reef≒Millcent 7×6、Nureyev≒Sadler's Wells 6×5。
直線で牛蒡抜きだ!(やっぱりふざけてる)





【牝馬】
・ルナステラ(ディープインパクト×ピラミマ)
バンドワゴン、スワーヴリチャードの3/4妹。ディープとUnbridled's Song=アジアンミーティアとの組み合わせはダノンプラチナ、ダコール、ブランボヌールがおり相性が良い、、、とかまあ理由はあるんですが、そんなこともこの馬「超かわいい」。
POG本を見て一目惚れしてしまいました。金子真人氏も佐々木一浩も草野仁も見た目のバランスが大事って言ってるし、そういう直感って大事だと思う。ということで1位指名。


・プリモシーン(ディープインパクト×モシーン)
母は豪クラウンオークス(G1)を9馬身差で逃げ切ったモシーンMosheen。南半球のノーザンダンサーの異名をもつSir Tristramサートリストラムの5×4のクロスを持つ。そこにディープインパクトがかけられてNorthern Dancer 5×5・5・6、Halo≒Sir Ivor 3・5×6・7。欧、豪、日の血統表を塗り替えた偉大な種牡馬達の血を増幅した配合になっている。短距離王国オーストラリアのディンヒル系、そのムチムチバディで桜花賞をぶっこ抜く競馬を期待したい
なお馬名「プリモシーン」ついては、プリ+モシーン「Prix賞(仏)+母名より」くらいの意味かなと思ってたら、プリモ+シーン「Primo最高(伊)+Scene場面(英)」で度肝抜かれた。カタカナ英語大爆発で超ダサい。。。


・イルーシヴグレイス(ディープインパクト×イルーシヴウェーヴ)
母はフランス1000ギニー勝ち。ナスフリート、Touch of Greatness、Danzig。柔らかさと適度な硬さを持ってる。キャロットでアレだが牝馬最有力候補。名門堀厩舎。
1つ下の弟は里見氏が3億で落札、2つ下の弟はアドマイヤの利一氏が5億6千万で落札し話題になった。自分がこの馬指名しようと選んだのは1月。私にも先見の明があったということで^^;
https://twitter.com/himaruyafurlong/status/824253344633917440
この血統なら牝馬の方が走ると思うので、正当な青田買い。


・オールフォーラヴ(ディープインパクト×レディアルバローザ)
ロードアルバータの全妹。ディープインパクト×母父キングカメハメハのThe金子配合。この組み合わせはAlzao≒ラストタイクーンで相性が良く。デニムアンドルビー(フローラS、ローズS)、キロハナ(つばき賞)、グリュイエール(きさらぎ賞-4着)、ヤマノフェアリー(春菜賞)、テンダリーヴォイス(アネモネ賞)などがおり3歳で結果を出してる。所有してるリーディング最上位種牡馬同士の相性が良いとかリアルダビスタ半端ないぜ。
母レディアルバローザはアパパネ世代のキンカメ産駒。The Dancer=Kazadancoaの全兄弟クロスを始めとして配合が面白い。繁殖として優秀と思われる。近親を見てもキャトルフィーユ、エンジェルフェイスと牝馬の方が走るので期待できる。この血統と好相性のいっくんを池江厩舎が乗せるのかどうか…


・エーシンテースティ(ダイワメジャー×エーシンリターンズ)
ダイワメジャープラチナ配合
(1)Halo≒Red Godのニアリークロス、(2)ノーザンテースト3×4などPretty Pollyいじり(キャロルハウスの牝系やWordenの母父もPretty Polly系)、(3)母系にWild Risk系のクロス、(4)母父キングカメハメハは息子も日本ダービー馬
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/70e0b444eff84cb7e57a7194c6d000af

今日7/29の新馬は大外枠好発から3番手、逃げ馬捉え切れずに2着。逃げても良かったかも知れないが能力は示したかと。前で受ける競馬がやはり似合う。8月上旬に未勝利を勝って小倉2歳→1戦→阪神JFのローテが組めれば理想的。




以上10頭。まずはデビュー、そして1勝!G1目指して頑張れ!

種牡馬オルフェーヴルを考える(その2)~オーシャンブルーはオルフェーヴル産駒~

2017年07月27日 20時06分23秒 | 血統考察
ライバルの血を入れることで強くなるという笠師匠の格言があります。

望田ブログ「ライバルの血」
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/17e75184a1d0812b2d6a1f7d5f74b1c6

>ディープの代表産駒たちは、類まれなしなやかさと俊敏さを父から受け継いではいるのですが、一方で父が得意ではなかった分野で、父とはまた異なる“強さ”を発揮した名馬たちの血を取り込むことで、つまり父にはなかった新たな“強さ”を身につけることで代表産駒となったのです


オルフェーヴルの力は世界中のホースマン皆が認めるところだけれど、持ち前の気性の悪さから彼の戦績はディープインパクトに比べるとちょっと汚ない。
とは言えオルフェーヴルが3歳春以降、本気で走って負けたのはジェンティルドンナ、トレヴ、あと一応ソレミアだけである(全員牝馬ななのは男の性か)。これら3頭の血統表を見ると


ジェンティルドンナ...Lyphard 、Danzig 、Alydar、Never Bend、Bupers

Treve...Sadler's Wells、Danzig、Never Bend、Lyphard、Gone West

Solemia...Sadler's Wells、Mill Reef(Never Bend)、Lyphard


La TroienneとFair Trial的な血が多いことが伺えます。3頭とも先行して芝をガッチリ捉え、ピッチで馬群を抜け出してしぶといタイプをよく形容した血統構成。オルフェーヴルは折り合いを欠いたときを除けば後ろから差されたことはないですから、こういう血に負けたのも納得。
Bupersはハーツクライの母系ですから、あの阪神大賞典のギュスターヴクライ、生まれる時代が悪かったライバルウインバリアシオンなんかが想起されます。完勝ではないけれど、Bupersを持つことでオルフェーヴルに一泡吹かせるレベルに達するとも言える。


これらから配合のヒントを得たい。


全弟ドリームジャーニーがエレクトロアート≒Nureyev(Thong=Lt. Stevens全兄弟クロス)のニアリークロスで結果を出しているところから見て、Special牝系とは相性が良いはず。
加えて、先に挙げたようにLa Troienne的な血(Sadler's Wells、Never Bend、Bupers)に負けているという事実も加味して、最もオルフェーヴルに無い強さを補完できるのはSadler's Wells=Fairy Kingだと考えられる。洋芝をものともしないパワー、当たりの強さ、タフさ、内蔵の強さを付与できるはずだ。

まあ冒頭の望田師匠のブログにちょこっと書いてあるんですけどねw

そして、LyphardのFair Trialも重要な要素だと捉えます。SpecialにFair Trial、コディーノ的な小足を使うイメージ。

さらに言えば、オルフェーヴル産駒の写真を見ると曲飛が多い印象で、もしかするとネオユニヴァース産駒のようなタイプが多いかも知れない。つまり中山を捲るタイプ...ってめっちゃドリームジャーニー(とその産駒達)そのものじゃん。
中山を捲るなら馬格はあった方が良いので、オルフェーヴルもドリームジャーニーも小さかったですが、産駒は馬体重の大きな馬の方が走ると思います。
Danzigも内回り>外回りな血統ですし、基本的にはステイゴールドと同じく体質を締めてピッチを上げる方向性がオルフェーヴルにも向くと思います。


ごちゃごちゃ書きまくってしまいましたが、オルフェ産駒についてまとめると
・Sadler's Wells=Fairy King持ち牝馬と一番相性が良いだろう。ニックスだと思う。
・NureyevならLa Troienneも忘れずに。
・LyphardなどFair Trialな血も有効。
→とにかくピッチとパワーを上げる。
・また、配合の基本形としてオルフェーヴルはノーザンテースト(父Northern Dancer)4×3と濃いので、母のNorthern Dancerは薄い方が好ましい。Sadler's WellsがNorthern Dancer直仔なので、できればこの1本に留めたい。
・良い配合なら中山を小足で内を掬う/捲るタイプが多いはず。外回りや東京ならスローを先行して抜け出す競馬が合う。
・馬体重は大きい方が良い。




そんな感じで今年のオルフェーヴル初年度産駒一番馬はこの馬!
シンハラージャ(オルフェーヴル×シンハリーズ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2015104819/



…だたの良血かよ!



そうです、良血は良血だから良血なのです。


理由は、
母の父シングスピールがSadler's Wells 、Never Bend持ち
(この2頭に限るとBold Reason≒Never Bend のクロスも生じる)
さらにForli(Fair Trial)、Haloで回転数アップ
血統表全体で3/4Northern Dancer、1/4異系でバランスも良い
きょうだいもアダムスピーク、リラヴァティ、シンハライト、ミリッサなど、違う父から全頭勝ち上がり、高確率で重賞馬が出るS級繁殖。

気性だけはどうにも分かりませんが、確実に走る血統だと信じています。




最後に、余談ですが「オーシャンブルー(有馬記念2着、金鯱賞、中山金杯)は未来から来たオルフェーヴル産駒だった説」

この馬、ステイゴールドA級配合に当てはまらなくて不思議だったんですよね。
母は「Never Bend、Lyphard、ドイツ」でNorthern Dancer1本。
これ、どっちかと言うと父ステイゴールドではなく、父オルフェーヴル=ドリームジャーニーで納得できる配合なんですよ。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102978/
好走した際には内から抜け出す競馬をしており、La TroienneとFair Trialが入ったこととも合う。Halo≒Droneの効果もあるかも知れない。


だから、オーシャンブルーはオルフェーヴル産駒。字面も似てますね。
オルフェーヴル産駒は、まずはオーシャンブルーを目指せ!



オルフェーヴルに失礼か。

種牡馬オルフェーヴルを考える(その1)~オルフェーヴルはSadler's Wellsとニックス~

2017年07月27日 20時05分51秒 | 血統考察
オルフェーヴル産駒を考える記事ですが、(その1)では考えません笑


まずオルフェーヴルの父であるステイゴールドの配合について復習をしておきましょう。母父メジロマックイーン;通称ステマ配合は奇跡要素も大きいがちゃんと理由はある。

★Point 種牡馬ステイゴールドはサンデーサイレンスとロイヤルサッシュのお陰で筋肉が非常に柔らかい≒緩慢なので、一流になるには母に筋肉量と質の両方を底上げしてもらう必要がある。


【量】
ステイゴールドの血統表の中の筋肉成分であるノーザンテーストのクロスが手っ取り早い。また、ノーザンテーストとニアリーな血の関係にあるVice RegentやThe Minstrel 、Storm Birdでも代用可

オルフェーヴル=ドリームジャーニー、バウンシーチューン、トゥインクル…ノーザンテースト
ゴールドシップ…The Minstrel
レインボーライン… Vice Regent
キャットコイン…Storm Bird


【質】
量だけではボディビルダー、それを正しく動かせてこそアスリート。DanzigやRibot、そしてWar Admiral×La Troienneの子供達の硬肉で締める

オルフェーヴル=ドリームジャーニー、ゴールドシップ...メジロマックイーン祖父メジロアサマのBlue Eyed Momo
フェノーメノ…ディンヒル(Danzig、His Majesty 、Buckpasser)
ナカヤマフェスタ…ディンヒル
ステイインシアトル…Danzig、Buckpasser
ココロノアイ…ディンヒル


さらに先に挙げたThe Minstrel の祖母Flaming PageはNijinskyの母。すなわちNijinskyも比較的ノーザンテースト的要素が多い。そしてNijinsky×Buckpasserの組み合わせと言えばマルゼンスキー。ナカヤマナイト、シルクメビウス=ウインガニオン、マイネレーツェルがマルゼンスキー持ち。Nijinsky+Blue Eyed Momoの組合せはステマ配合フェイトフルウォーがいる。


これら筋肉要素が無いとパワー不足で、坂のあるコースは不得手になる。ステイゴールド産駒の初期はこの手の馬が多くサンライズマックス、エクスペディションなど夏のローカルでの活躍馬が。


裏を返せば、柔らかいGold Diggerを母に持つMr. Prospector との相性は悪く、牡馬ではほとんど活躍馬がおらず、パワーが無くてもキレで通用する牝馬でチラホラ。アルコセニョーラ、ウインプリメーラ、アドマイヤリードなど。
ウインブライトはミスプロ持ちだが、ゴールデンサッシュ≒アドマイヤマカディの黄金配合+Nijinsky 5×5(マルゼンスキー)でG2まで勝つことが出来た。しかしながらデビュー戦は府中の坂を全く登ることができないレベルでパワー不足だった。「ノーザンテーストは三度成長する」を垣間見ましたね(PO馬なので熱く語りすぎた)。

似た思考でSadler's WellsやRobert持ちのパワー型もオープン級は結構いる。土砂降りの函館記念をRobert持ちのマイネルミラノが逃げ切ったのも記憶に新しい。


という訳でステイゴールド産駒の重賞馬をほとんど列挙してしまいました。これで概ね種牡馬ステイゴールドのイメージが掴めたと思います。
ステイゴールド自身、晩成型で筋力がつくまで時間がかかっていました。その弱点を早期に効率良く解決するのがこの配合の妙味ですね。




さて、ステイゴールドの筋肉を頑強にしたオルフェーヴル。
G1 6勝。凱旋門賞2年連続2着で初年度はあわや勝利というところまで至った。引退レースの有馬記念では9馬身差の大楽勝。そんな名馬がガチンコで戦って敗北を喫した馬、彼女らの血からオルフェーヴル産駒のヒントを得ていきたいと思う。


その2に続く。