『戦い続ける人には、常に勝利の可能性があります。』
長い間イギリスの征服を狙っていたジュリアス・シーザー[訳注]は、
ブリテン島まで航海し、軍隊と補給品を陸に揚げた後で、船をすべて
燃やすよう命令しました。それから全員を集め、「さぁ、勝つか死ぬ
かだ。我々に選択肢はない」と言いました。この采配で、シーザーは、
作戦の成功を確実にしたのです。
勝つこと以外に選択肢がなければ ―― あるいはそれ以外の選択肢を
受け入れようとしなければ ―― 必然的に戦いに勝てることを、シー
ザーは知っていたのです。
勝利が不可能に思える状況に陥った時は、別のコースをとって行動す
ることが、目標達成に有利に作用することもあります。もしあなたの
目標が真正面から攻撃しても動かないようであれば、別な角度からア
プローチしてみましょう。
解決不可能な問題など、人生にそうめったにはないのです。また、変
動する状況に対応できる柔軟な計画を持った、決意の固いやる気のあ
る人に対しては、最後まで立ちはだかる障害もありません。
[訳注]ジュリアス・シーザー(BC102-44)
古代ローマの政治家。クラッスス、ポンペイウスと結んで第一次三頭
政治を行い、9年間にわたるガリア遠征の中で、巧みな戦術で諸種族
を撃破、100万人の住民を奴隷にする。この結果、莫大な借財を返
済して、ローマ最大の富豪となり、見世物、パンを提供して貧民の人
気を得る。クラッススの死後、ポンペイウス軍や元老院派をエジプト、
北アフリカなどの各地で破り、終身の独裁者となる。この間貧民、兵
士への土地分配、太陽暦の採用などを行う。しかし共和制の形骸化と
彼の王への野望を恐れたブルータスなどに暗殺された。