ひろせはぁちゃん 保護猫日記

大阪府摂津市の工場から、保護した6匹の保護猫と暮らしています。

【FIP発症2匹目】カーターちゃんの治療について

2021-12-31 12:25:30 | 日記

更新履歴:1/2 更新(投薬終了後一ヶ月検診の内容をアップしました)

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発症2匹目:カーターちゃんについて

大阪府摂津市の工場より「保健所で殺処分」と言われているところを保護しました。

事故で片手の先を失っています。

寒い冬の日、暖を取ろうとして、機械か車両のエンジンに挟まれてしまったようです。

ですが、そんなハンディキャップを感じさせないくらい、元気いっぱい猫じゃらしで遊び、ジャンプし走り回ります。

ピョコピョコと歩く姿が健気です。工場でも、その健気な姿に元気をもらう人もいたそうです。

工場では「片足ちゃん」(実際には片手ですが)と呼ばれていた為、「カーター」ちゃんと命名しました。

ちょっとビビりながらも、甘えん坊で食いしん坊です。

↓保護からしばらく経った頃

 

FIPの診断について

●2021年9月

カーターちゃんの食欲がなくなってきました。

いつもは誰より食いしん坊で、人のご飯を横取りするくらいなのに…。

はぁちゃん(FIP発症1匹目)の時と症状が似ていると、心配になりながら病院へ。

すると心配が的中。胸水が溜まっておりFIPとの診断がおりました。

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この時、目の前が真っ暗になり、信じられない気持ちでいっぱいでした。

1匹目はぁちゃんの治療費で貯金を使い切ってしまっており、どうやってもお金が足りません。

周囲には「お金がないのだから、2匹目は無理して治療せず、看取ってやるのも愛情だ」と仰る方もいました。

しかし、はぁちゃんもカーターちゃんも「同じ工場で生まれ育ち、同じ工場から保護した、かけがえのない命です」。

発症1匹目だから、はぁちゃんは助けられて、発症2匹目だからカーターちゃんは助けられないなんて、そんな人間の勝手はあんまりです。

カーターちゃんは工場で事故に遭い、片手を失いながらも、必死に生きてきました。

しかも私は、「はぁちゃん」が投薬治療によって、みるみる回復する姿を見ていました。

このまま治療せず看取ることなんて出来ませんでした。

病院にはなんとか薬代の支払いを待ってもらうようお願いし、投薬治療を開始しました。

 

治療と経過について

●9/9 胸水が溜まっておりFIPと診断。体重3.7kgに減少。

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●9/10 主治医に相談し、メロンX(V)で連続70日間 投薬治療開始。

投薬開始後、数日すると体調がみるみる回復し、ご飯もガツガツ食べるように。

ただし、そこで薬を止めてしまうと再発してしまうため、治療には規定期間の70日投薬を続ける必要があります。

カーターはとにかく食いしん坊なので、薬を粉末状に砕き猫用ミルクに混ぜると、嫌がらずに食べてくれました。

 

●9/30 血液検査へ。タンパクが8.6と少しだけ高い以外は問題なし。

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●10/18 血液検査へ。数値がすべて正常値に!

もちろん体調良好で、食欲旺盛!

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●11/17 血液検査へ。ほぼ正常値。

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●11/18 規定通り70日目で投薬終了し、経過観察期間に入りました。

 

治療費の明細について

●カーターちゃんの治療費

・薬代(メロンX,V):629,000円
・通院費:81,740円

カーターちゃん合計:710,740円

 

↓明細のうち、629,000円がカーターちゃんの薬代です

 

●通院費内訳:クラファン申請時81,740円見通し→1月現在69,850円の見通しです。

通院日 通院費  
9月9日 14,850  
9月24日 8,800  
9月30日 12,650  
10月18日 11,550  
11月17日 5,500  
12月29日 5,500  
1月末予定 5,500 予定
2月末予定 5,500 予定
合計 69,850 予定

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投薬終了後について

●12/29 血液検査へ。投薬終了1ヶ月後の検診行きました。

主治医よりこのまま様子見とのことでした。

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●12/31現在、カーターちゃんは毎日元気いっぱいです。

発症時3.7kgだった体重は、投薬終了1ヶ月後の現在4.9kgまで増えました。

 

このまま寛解目指して頑張ってもらいます!

どうかご支援をお願い致します。

 →クラファンページ:https://ani.fan/product/32154/

【FIP発症1匹目】はぁちゃんの治療について

2021-12-31 06:06:41 | 日記

更新履歴:1/2 更新(投薬終了後一ヶ月検診の内容をアップしました)

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FIPの診断について

●2021年7月

保護から2ヶ月が経った頃、はぁちゃんの様子に異変がありました。

元気と食欲がなくなり、そのうち、しんどそうに肩で息をするようになり病院へ。

黄色くとろみのある胸水が溜まっており「FIP」であると伝えられました。

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近所のかかりつけ医からは「うちではFIP治療出来ない」と言われました。

ボランティア仲間に相談したところ、関東のとある病院(FIP治療薬 協力病院)を紹介してもらい、

「メロンX」での投薬治療を開始しました。

メロンXの場合、毎日同じ時間に連続70日間、投薬を続ける必要があります。

 

治療と経過について

●7/6 胸水が溜まっておりFIPと診断。体重が減り4.8kgに。

 

●7/7 胸水を抜いてもらった為か、少しだけ回復しました。

ご飯を少しだけ食べるように。下痢が続きます。

 

●7/14 ムティアンでの投薬を開始。

少しでも投薬が早い方が良いと聞き、担当医に相談の上、メロンX開始までの「繋ぎ」として投薬しました。

数日後にはご飯をガツガツ食べ、元気に。下痢からコロコロうんちになりました。

 

●7/27 メロンXで、連続70日間 投薬治療開始。

元気と食欲も問題なく、猫じゃらしでも遊ぶようになりました。

 

●7/28 血液検査へ。タンパクが11.8と高い以外は問題なし。

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●8/26 血液検査へ。タンパクが9.1に減少し、前回よりかなり改善。

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●9/27 血液検査へ。タンパクが9.4。やや正常値より高い。体重が増え、5.3kgに。

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●10/4 メロンX開始70日目の為、本来は投薬終了のはずでした。

しかし前回検査で「TPが高く、AG比が低い」ため延長になりました。

 

●10/8 血液検査へ。タンパクが8.8とやや高いため、再延長になりました。

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●10/27 メロンX投薬終了し、経過観察期間に入りました。

 

治療費の明細について

●はぁちゃんの治療費

・薬代(メロンX):941,000円
・通院費:72,490円

はぁちゃん合計:1,013,490円

 →貯金を使って支払いました。

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はぁちゃんの治療費(約101万円)はどうやって払ったの?

私は35歳独身女性。いつか小さな結婚式をするための貯金が100万円ありました。

私は薄給の派遣社員で、毎月の手取りは約17万円。ボーナスはもらえません。
学生時代の奨学金を返済しながら、コツコツと頑張って貯めた貯金でした。

しかし恋人もいないし、結婚出来る気配もありません。
この結婚式貯金を使ってはぁちゃんの治療をすることに迷いはありませんでした。
助けてあげられて本当に良かったと思っていました。

さらに3匹が発症するなんて、この時は考えてもいませんでした。

 

投薬終了後について

●11/24 血液検査へ。投薬終了1ヶ月後の検診行きました。

主治医よりこのまま様子見とのことでした。

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●12/24 血液検査へ。投薬終了2ヶ月後の検診行きました。

タンパクがやや高いのが気になりますが、主治医よりこのまま様子見で問題ないとのことでした。

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クリスマスイブに病院でかわいそうでしたので、帰ってからご馳走を食べてもらいました。

我が家でのご馳走は「銀のスプーンの缶詰の仔猫用」。

高カロリーなのでいつもは仔猫にしかあげないのですが、はぁちゃんら大人猫たちも大好物。

とっておきのご馳走です

 

●12/31 現在、はぁちゃんは毎日元気いっぱいです。

発症時4.8kgだった体重は、投薬終了2ヶ月後の現在6.2kgまで増えました。

このまま寛解目指して頑張ってもらいます。

そして寛解後はダイエットしなければいけません。

 

発症1匹目はぁちゃんの治療費については私自身の貯金で支払い出来ましたので、どうか2匹目、3匹目、4匹目である「カーターちゃん、次郎ちゃん、ちび太」へのご支援をお願い致します。

 

クラウドファンディング→https://ani.fan/product/32154/


発症0匹目のあんこについて ~助けてあげられなくてごめんなさい~

2021-12-16 23:42:30 | 日記

はぁちゃんをどうしても助けたかったのには理由がありました。

その理由は、発症0匹目のあんこという猫です。あんこは私が初めて、家に迎えた猫です。
はぁちゃん達より少し前に、あんこは我が家にやって来ました。

あんこも元々は、摂津市の同じ工場で生まれた猫でしたが、子猫の頃に冷たくなりかけていたところを、
おじいさんが家に連れて帰り飼っていました。

4月末、訳あって我が家で保護。里親さんを探すことになりました。
月齢7か月でまだ幼さの残る、長毛でとてもかわいい、人懐こい女の子でした。すぐに里親さんが決まるだろうと思っていました。
(この時はまだ、工場の猫達が追い出されてしまうことを知りませんでした。)



私にとって初めての猫との生活は、とてもとても幸せでした。
家に帰るとあんこが待っていると思うと、仕事も頑張れました。遊ぶのも甘えるのも大好きで、夜は枕元で一緒に寝てくれました。

しかし、あんことの幸せな日々は長くは続かず、5月末のある日、あんこの調子が急変。ゼェゼェと肩で息をするようになりました。
つい数日前まで元気いっぱい猫じゃらしで遊んでいたのに、と思いながら病院へ。そのまま5日間入院。
「あんこを助けてくれるなら、いくらかかってもいい」と病院にお願いしましたが、あんこは回復することはなく、亡くなってしまいました。

入院及び治療費は117,766円でした。


後から思うに、あんこもFIPだった可能性が非常に高いと思います。
しかし病院から「考えられる原因の1つがFIP」と言われただけで、この時の私はまだFIP治療薬の存在を知りませんでした。

もっと早く体調不良に気づいていれば、助けてあげられたのではないか。
私が引き取らず、おじいさんの家にいた方が幸せだったのではないかと、悔やんでも悔やみきれませんでした。
私のようなしょうもない人間が生きているのに、愛され可愛がられる為に生まれてきたあんこが、
どうしてこんなに幼くして亡くなってしまうのだろうと思いました。

そして7月初め、今度は はぁちゃんがFIP発症。大変ショックでしたが、「今度は必ず助けてあげるから、」と思いました。


私が「保護猫6匹」を保護した経緯~工場の猫が処分されてしまう~

2021-12-16 18:36:45 | 日記

大阪府摂津市のとある工場内に15匹の猫が住んでおりました。
そこで勤務するおじいさんが長年、猫のお世話をしていました。
早朝に毎日、休みの日にまで工場に来て、猫にご飯をあげていました。

私は個人ボランティアでTNR(野良猫の避妊・去勢手術)をしており、
数年前にそこで活動をしたことをキッカケに、その猫達に出会いました。

おじいさんが大変可愛がっていた為、猫達は人懐こく、
おじいさんが「にゃんこ~」と呼ぶと、みんな一斉にやって来ます。
我先に膝を取り合い、膝に乗れなかった猫は、肩に乗って甘える姿は、とても微笑ましかったです。
頭数が多い為か名前はなく、みんな「にゃんこ~」と呼ばれていました。

野良ながらも穏やかに暮らしていた猫達ですが、今年(2021年)の夏におじいさんの定年退職が決定。
それに伴い、猫達は工場から追い出されてしまうことに…。
追い出されてしまうと猫達は生きていくことが出来ません。

工場側から「これまでは大目に見てきたが、もう猫達は保健所に処分してもらう」を言われてしまいました。
また、おじいさんが定年退職してしまうと、もう工場内に入ることが出来ず、
猫達はご飯をもらうことが出来なくなってしまいます。(従業員の中には猫が好きな人もいたそうですが、
工場側に歯向かってまでこの先、猫達にご飯をあげられる人はいませんでした。)


おじいさんの家にも、工場から保護した猫が複数おり、これ以上飼うことは出来ません。
私がこの話を聞いた時、猫達には「後2ヶ月」の猶予しかありませんでした。
後2ヶ月の間に15匹の居場所を確保しなければ、処分されるか、工場から追い出されて、生きていけなくなってしまう…。

その頃ちょうど私は、猫の飼育可能な物件に引っ越ししたばかりでした。
1匹でも多く助けたいと思った結果、私の家では順番に6匹を保護しました。

そして私と保護猫6匹との生活が始まりました。

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残りの9匹はありがたいことに、保護猫団体さんが一旦引き取ってくれることになりました。

残りの9匹を助けてくれたのは、大阪府高槻市の保護猫団体さん「高槻ねこのおうち」さんです。
私が猫を保護するにあたって、親身に相談にのってくれました。

高槻ねこのおうちさんのブログはこちらです↓
https://ameblo.jp/necono-ouchi/


FIPという恐ろしい難病について

2021-12-16 18:36:31 | 日記

猫腸コロナウイルスは多くの猫が持っており、8割以上が持っているとも言われます。
それ自体は問題ありません。

ただ稀に、猫腸コロナウイルスが変異して「強毒化」してしまうと、猫伝染性腹膜炎(FIP/エフアイピー)という恐ろしい病気を引き起こします。

症状としては、
・ウェットタイプ→腹水や胸水が溜まります
・ドライタイプ→リンパ腫が出来たり、神経症状が出たりします
・混合タイプ→その両方の症状が出るものです

発症してしまうと、致死率は99.9パーセントと言われており、数日~数ヶ月程度で命を落としてしまう恐ろしい病気です。
ずっと効果的な治療方法はなかったのですが、ここ数年の間に開発されたFIP治療薬が治療に効果的であると報告されるようになりました。
その1つが「メロンX(メロンV)」という薬です。

ただし、この治療薬は日本では承認されておらず、非常に高額な治療費が必要です。

FIPの治療をしている動物病院はかなり少なく、大阪では1つしかありません。
私も当初はそこへ通院しようと考えておりましたが、猫達を保護する際にお世話になった保護猫団体より、
関東のとある病院を紹介してもらいました。

そして「メロンX(メロンV)」という治療薬の投薬を開始しました。

関東の病院より、どうしても必要な時だけ往診に来てもらい、
基本的な投薬指示はオンラインにて指示してもらいました。

投薬中は2週間~1ヶ月毎に、近所の病院で血液検査やエコー検査などをして、
その結果を元に、関東の病院の指示を仰ぎました。