東北関東大震災で被災した福島県相馬市の報告です。
出会った方々からお話をきくことができました。
津波については
「あんな波は見たことがなかった」「おそろしかった」とおっしゃていました。
ほんの一部しか見られませんでしたが、それでもその規模の大きさに圧倒されました。
そして、それ以上に、みな一様に原発のこと、そしてとくに風評被害を訴えていました。
「原発はどうなるかわからない。何を信用していいのかわからない」
「もう、福島のものは売れない。とにかく風評被害がいちばんこわい」
お話をきいていると、不安のせいか何度も何度も同じことをくりかえしてらっしゃいました。
南相馬市で屋内待避されている方とも出会いました。
商店や病院・薬局が閉まっているために、隣の相馬市まで薬を求めていらしていました。
新聞もなく、情報が少ないそうです。
電気やガス・水道は問題ないそうですが、屋内待避なので、外に出るのは車のみということになるそうです。
多くの人が避難してしまったので、ペットや家畜が置き去りにされているそうです。
その方も犬を飼われていました。
「人間はどうにでもなる。でも、動物たちは何もできずにいる。
同じ命なのに、なんとかして欲しい。動物たちのことをどうにか伝えて欲しい」
とおっしゃられました。
ペットや家畜の世話をするために避難されない方も少なくないそうです。
相馬市でも、あちらこちらで犬の遠吠えを聞きました。
置き去りにされてしまったペットなのか、津波堆積物のあちこちに犬の足跡が無数にありました。
南相馬市の方は、近くに捨てられていたペットボトルを拾われて、中身を捨てて、ゴミ箱に捨てました。
「こんなときだから、こういうことをするような人は許せない」とおっしゃっていました。
とても厳しい状況の中でも毅然としてらっしゃいました。
みなさんとても親切で、ご自分の方がたいへんなのですが、私に気を遣って下さいました。
東京から来たというと、逆に「がんばって」と言われたり、
中には、放射能が飛んでるからと言って車で被災地を案内すると申し出てくださる方もいらっしゃいましたが、ガソリン不足の中、とんでもないことなので、丁重にお断りしました。
私の方が「気を付けて」「ごくろうさん」などと声かけられてしまい、本当に恐縮してしまいました。
お話しして下さった皆様、本当にありがとうございました。
被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。