で、まあ、その筋じゃ有名なハナシなわけですが、宮崎アニメには以下の特徴があります。
1.シナリオが破綻している2.それを帳消しにする絵(アニメーション)の素晴らしさ2についてはあらためて説明する必要もないというか、文章だけで語るには文才が足りないので割愛。
1のシナリオの破綻は、宮崎駿監督は、絵コンテは切るが実際には脚本を書かないので、至極当然な帰結ですね。さらにいえば「ラストを決めずに製作を開始する」のですから、破綻しないはずがないですね。ただし、宮崎アニメに限って言えば、破綻するからこそ予想外の展開に引っかかるわけで、これは欠点ではなく面白さの源であり、だからこそ何度見ても飽きないのだと思います。
とはいえ、これはねらってそうなったのではなく、おそらくご本人は毎回毎回シナリオが破綻した作品を世に送り出しては後悔し、次こそはちゃんとやりますっという思いが原動力となって次々と作品を生み出し続け、でもやっぱり破綻してるので後悔する。ので反省してもっかい作る。ということを繰り返してきたのだと思います。だからここ最近は「これが最後!」と言いつづけ、最後だからちゃんとやりますっとご自分を追い込んでてたのではないでしょうか。
しかし、「崖の上のポニョ」ではとうとう
しかし、「崖の上のポニョ」ではとうとう
ちゃんとやらないつもりで開き直って作った
んだと思います。あ、けなしてるんじゃないんですよ。とてもほめているんです。わたしのようなへんくつな宮崎駿ファンとしてはまさしく「クソッこいつを待ってたんだッ!!」という作品なわけですよ。だからこそ猛烈に見たかったわけです。
よくわからないですか。そうですか。
わからないほうが健全なのだと思います。
よくわからないですか。そうですか。
わからないほうが健全なのだと思います。
ともかく、その意味において「崖の上のポニョ」はまさしく期待にたがわず、「徹頭徹尾破綻しまくって予想外の展開を見せるシナリオ」と生命のない動かないものに命を与えて動かすことを意味する「アニメーション」の素晴らしさをたっぷりと堪能できたというわけです。