1988年の12月、骨董通りの店で「クリスマス前に相手がいない人同士の合コン」があった。
吉里吉里出身。音大の出らしい出で立ちだった。
ウェイヴした髪をウェットに仕上げ、黒いヴェルヴェットのパンツに金色がかったベージュのトップ。
乳房はEカップくらいだろうか。
黒目がちの丸顔が愛らしい。
二次会の会場で「みんな彼氏がいるのに、隠しててずるい」そうつぶやいた。
自分はいるのだといっていた。
三次会のクラブで、彼女と仲良くなり、人前でディープキスを何度もした。
あんなことは二度とない。
友達にタクシーに押し込まれ、杉並のアパートへ。
乳房を揉みしだき、「おおきいね」と感心した俺の頭をはたいて、
「普通っていえ」という言い方がまたかわいかった。
パンティに手を潜らせようとしたその時、彼女が手首を掴んだ。
「しなきゃだめですか?」
どうしてあの時、紳士だったのだろう。
浜に座って、生ガキを水を片手に食べるのが地元流だとおしえてくれた。
将来は地元でエレクトーンの先生になるといっていた。
舌を絡めあって、乳を揉ませて、男の家に泊まっても「させない」
そんなことがあるのだということ、
そして、だから逃してはならないと教わった。
今はどうしているのだろう。