さて、このブログを読んでくれている一年生や今年北大を受験する予定の受験生は、七帝柔道にある程度の興味を感じてくれていることだと思うから、この文章を読まなくとも、柔道部に見学しに来てくれれば良いと思う。
あぁ、特に興味無いかなという人に向けて七帝柔道が他の格闘技・スポーツと異なる点について自分なりに感じていることを書く。ルール如何の話が長くなってしまったため、面倒であればルール如何以降だけを読んでくれても構わない。
まず、分け役・抜き役という役割の存在だろう。七帝柔道が15人制の勝ち抜き団体戦を行う中でこの役割が発達したのかどうか、自分はよく分かってないが、この役割分担というのは他のスポーツ等ではあまり見られないものだと自分は感じている。
抜き役・分け役のうち、抜き役というのは相手チームからなるべく多く一本を取る(これを「抜く」という)役目で、恐らく他のスポーツでも割りとこういう役割を受け持つ人間は居ると思う。サッカーでいうFWみたいな物だろうか。
だが、次にあげる分け役というのは、とても特殊である。端的にこの役割を説明すると、
「相手チームの抜き役を止め、抜き役の作ったリードを守る」
といったものだ。つまりは「引き分けること」が分け役の役目である。今までスポーツや格闘技をしてきた人間なら、この役割の存在に違和感を覚えると思う。恐らく今までやってきたスポーツでは勝利に重点を置いてプレイしてきたからだろう。勿論、七帝柔道でも「チームとしての」勝利を目指しているが、個々人の在り方はチームの中でも大きく異なってくる。
次に挙げる点は、自分達のやっている柔道が「寝技主体」の物であるということだ。「勝負を最後に決めるのは、立ち技ではセンス、寝技では努力」というセリフは七帝柔道に属しているとよく聞くことなのだが、的を射ている言葉である。高校生以前で柔道をしていた人は、殆どの場合では立ち技を中心に練習してきたと思う。しかし、七帝大では寝技中心の柔道をしている。寝技での勝利にセンスは要らない。努力すれば誰でも誰にでも勝てる。例えそれが以前負けた相手でも、入念な研究と反復練習があれば…。
また、七帝では「引き込み」という国際ルールでは反則とされている「立ち技を経由せずに寝技に引きずり込む」手法を取ることができる。これにより立ち技が強い相手に対して直ぐに寝技に持ち込むことによって、その立ち技の脅威を激減させることができる。
この手法をコスいと感じるだろうか?自分はそうは感じない。何故なら実際道場(ルール)の外での戦いに於いてこの手法は大いに有効であるし、それが禁じられる道理も無いからである。
これにより、七帝では寝技を磨いた者が圧倒的立ち技を持つ者を打ち負かす場面がよく見られる。
ここまでルール如何について説明をしたが、若年者の僕が語ることでも無かったかなと、今更ながら思う。
さて、ここからが本題。先ほど「寝技は努力」といった言葉を出した。これは真に本当のことを正しく述べていて、努力をすれば誰でも誰にでも勝てる。
この「誰でも」というのは本当に「誰でも」である。身長が高くても低くても、手足が長くても短くても、筋トレでパワーが付きやすい付きにくいに関わらず、体重は…少し重い方がいいかな。前に挙げた要素以外も、努力があれば寝技の勝敗には何の関与もしないだろう。「誰にでも」というのは、高校以前で圧倒的な成績を残している者でもという意味だ。
ここで終われば相当歯触りの良い文章になるが、まだ言っておかなければならない事がある。ここまで折角読んでくれた人達の耳が痛くなるかもしれない、もしくはこれを書いている僕自信に突き刺さるかもしれない。「寝技は努力」、これを書くのはもう3回目だろうか。努力すれば誰でも誰にでも勝てる。これは大学から柔道を始める者にでも当てはまる真理だと思う。
だが、「努力すれば勝てる」というのは逆に「勝てないのは努力が足りないからである」といった意味も含む。自分の頑張り具合が残酷な程に如実に眼前に叩きつけられる、これが七帝だ。
だからこそ圧倒的な努力量を確保しなくてはいけない、だからこそ僕たちは週6での練習を行う。他の部活・サークルではあまり見られない位の練習量をこなす。
だから、恐らく僕たちは君たちが入部したら恐ろしいくらいの時間を奪うし、恐ろしく君達を拘束する。
だけど、それと同時に君たちがこれからの3年3ヶ月を柔道部に捧げてくれたら、今度はその反対、柔道部は君たちに色々な物を与えてくれるだろう。
それは、鋼の肉体かもしれないし、金剛の魂かもしれない。それは実際のところ自分がまだ卒部していないことから、僕も分からない。
冒頭で書いたように、これを書いた理由は七帝柔道に興味はそこまで無いかなぁと感じている新入生を勧誘するためである。僕たちは今、部として弱りかけている。君達の力が本当に必要だ。この文章を読んで、少しでも興味が湧いたら道場に足を運んで欲しい。その為に書いたんだから。勿論来てくれたら誰でも歓迎する。
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