組長の第二の故郷・網走刑務所を心行くまで堪能した一同。
~本編~
網走刑務所でお土産を購入
五藤はニポポを買っていた。
ニポポとはアイヌ語で幸せの人形とかいう意味だった気がする。
「危うく、偽物のニポポ買うとこだった・・・
本物のニポポは裏に『網走刑務所』って烙印があるんだって」
五藤は烙印無しのニポポを買おうとして
「それは本物じゃない。これが本物だ」と言われたようだ。
網走刑務所からすぐのところにある
天都山へと向かう。
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網走が一望できる景色
そして
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遠くに見える山々は知床である。
昨日はあの山を越え
海岸沿いに網走まで来たのだ。
昨日のこととは思えない。
今までの過程
そしてこの旅行が終わりに近づいていること
を考えるとなんだか切なくなる。
五藤の声がする。
「つかまされた!!!
『本物のニポポはここ(網走刑務所)でしか買えない』って言われたのに売ってるじゃねぇか!!」
五藤はやはり持っている。
何かを持っている。
そろそろ時間がなくなってきた。
レンタカーを返す時間が近づいてきたのだ。
高速で一気に旭川まで行く。
ここの区間は確か無料だった。
時間に余裕が出てきたっぽいので
できるだけお金は使わないようにしたい。
旭川からは料金がかかるので高速を降りた。
が・・・・
「道混んでるな・・・」
「間に合う?」
・・・
「ん~・・・」
「あれ?時間足りなくね?」
「確かに厳しいかも・・・」
「延滞料取られる!!!!イクっち電話して!!!」
生田がレンタカー屋に電話をかける。
緊張が走る。
生『五藤アキノリです。
・・・
遅れそうなんですけど・・・
あっはい
分かりました。ありがとうございます』
「どうだった!?」
いっせいに聞く
生「なんかねぇ
明日でもいいみたい、返すの」
「まじか!!!」
「金は?」
生「かからないって」
この時のみんなのテンションの上がり方は半端ではなかった。
さて時間が増えた。
とりあえずラーメンを食べる事に
ガイドブックを見て
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ここに決定。
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間に合うか合わないかの緊張から解放され
ラーメンをむさぼる。
気がつけば外はもう・・・
暗くなってしまったので
帰路につこうか。
美唄を通って
美唄焼き鳥を食べ
最後に夜景でも
スウェーデンヒルズに向かった。
北欧風の建物が立ち並び
異国情緒をかもし出している。
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この写真じゃちょっと分かりづらいか・・・
夜景綺麗でした。
ところで
脳内メーカーというものは知っているだろうか?
少し前に流行った
名前を入力すると
その人の頭の中が分かる
というジョークツールである。
小林が主将だったころの脳内はと言うと
小林主将の脳内
部活の事で相当悩んでいたのだろう
そんな悩みからも解放された現在
彼の頭の中は
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空っぽである。
道東の旅も終わりだ。
そういえば小林が買っていた大き目のキツネのぬいぐるみはなんだったのだろうか?
小林の実家へと潜入を試みたが
「ここでいい」
と言われてしまった。
小林とお別れ。
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「じゃな、コバ!」
みな別れの言葉を口にし
生田が言う
「じゃ出発するよ」
みな手を振る。
颯爽と発進し
手を振る小林がどんどん小さくなっていく
はずだった。
ぶぅんぶんぶぶぶぶぶぅぅぅん
エンジンが大きな音を上げ
タコメータが大きく振れる。
生田よ・・・
それはニュートラルだ。
雰囲気がぶち壊しだ。
でも、寂しい雰囲気を笑いで吹き飛ばそうという
生田なりの計らいだったのかも知れない。
今度こそ小林とお別れ。
次に降りるのは
赤松、林、山本
「おつかれー」
「またなー」
と挨拶を交わし
生田は車を発進させる。
小さくなる車を見送る。
はずだった。
ぶぅんぶんぶぶぶぶぶぅぅぅん
生田よ・・・
それもニュートラルだ。
こうして道東の旅は終わった。
巻