「お前ら今日から、ドルが世界の基軸通貨やさかいに、他の通貨で勝手な貿易したらアカンでえ~。
ええなあっ、
これが‥、
たった今決まった…、
これからの、世界のルールや…。
ルール違反は厳禁やでっ!$」
世界中の黄金を手に入れたアメリカ合衆国…。
自陣を失い、広島、長崎の惨劇を目の当たりにした豪族たちに、すでに反論する気力はなかった。
当時、世界の新しい共通通貨を作る、とするホワイトの案も、「イギリスの借金はチャラにしたるさかいに黙って~や。」
とする密約により流れた。
世に言う『ヴレトゥン・ウッズ体制』の始まりである。
荒廃したヨーロッパに、莫大な復興資金を用意し、その金を持って、アメリカの製品を買ってもらう。
世界大戦で肥大化したアメリカ産業は、過剰生産恐慌に陥らずに済むばかりか、発行したドルが環流して帰ってくる。
ファイナンスとでも言うのかな?
一石二鳥のこの策、マーシャルプランである。そしてそれを推進するために設立されたのが、IMF、世界銀行である。
「お前ら儂が金~工面したったんやさかい、儂とこの製品‥、
買う話には‥やっとんねやろなあ?
それが筋っちゅうもんやでっ、」
こうして世界中が、アメリカの製品を買う時代が来た。
戦後しばらくの教育では、アメリカが世界中のあらゆるもの生産する、まさしく世界の中心だった。
二言目には「アメリカでは‥」と口走る年配の知識人層が大勢いても、無理もない話なのである。
アメリカの産業を潰す罠を仕掛けたのは、やっぱりフランス?辺りかも知れないね。
自分で育てておきながら、飼い犬に手を噛まれたといったところか‥。
アメリカは調子に乗り、フランス領ベトナムに乗り込む。これがアメリカ政府を弱体化する分岐点になる。
ベトナムへの侵攻は、アメリカ人ではなくとも、首を傾げたくなるような作戦の連発なのだ。
アメリカの肥大化した生産力の行き場は、復興するヨーロッパや台頭する日本によって、徐々に狭められて行く。
結局は先進国経済を襲う病の本質は、過剰生産なんだよね。
これを本来ならば調整すべきなのを、アメリカは絶対にやらない。周辺諸国を犠牲にしてでも、過剰生産を続けたのがアメリカのやり方。
なんでアラブや東南アジア、アフリカなど石油産油国の集まりが、オーストリアに本部を置いてんだよ。ハプスブルク家の本拠地の一つ、オーストリアに…。
まあ、その辺の謎は、頭の角に置いておいこうか‥。
しかしここから推測すると、'70年代のオイルショックで、世界中の経済が失速したわけだから…。
このOPEC、ひところ解散するだの何だのと、話が浮上していた気がするが、まだ存続しているようだ。しかし原油の価格決定権は、もうここにはない。
何やら別の場所で、投機マネー主導で決まっているのが今の原油価格らしい。そして今日もその価格は、1バレル100ドル以上の高値で、じりじりと上げている。
最悪なのは、この原油価格に天然ガス市場を連動させようとする動きだ。
エネルギー全般に関しての、巨大なカルテルが形成されようとしている。
アメリカの汚いのは、ベアリングメーカーのカルテルなどには、大変な因縁をつけて来るくせに、世界経済の根幹を握るエネルギーカルテルには、まったく関心を示さない。
それどころか、奴らはそれを支配の武器として掌握しているのだ。
'70年代の石油価格引き上げから'80年代に入ると、中東産油国には、莫大な金が転がり込むようになる。
'80年代は世界的に好景気であり、アメリカは消費専門の、金融立国に走り出す。
'80年代は、アメリカの産業が世界に溢れ出し、それが世界的な好景気をもたらしたとも言える。
そしてそれはまた、アメリカが共産圏に対抗する手段でもあった。その代表格がモータリゼーションであり、それに付随して、石油の消費量も激増して行く。
その産油国に流れ込む大量の金が、
オイルマネーである。
このオイルマネーが、アメリカ製品を、しこたま買うことになる。しかも溢れるオイルマネーが、金融資産としてアメリカの銀行に溜まるのであれば、それがLBOの資金源にもなる。
実にうまいループである。
ただし、今度の買い物は少し違った。
冷戦時代に拡大する、アメリカの武器産業界の製品だった。
共産圏の南下を防ぎ、中東の最前線基地、イスラエルを守る…。
そのためにも、中東の武装は必要不可欠であった。
戦争の絶えない中東は、再び巨大なオイルマネーを生み出している。
蜃気楼のような巨大な都市が、砂漠に忽然と現れるほどの巨大なパワー…。
これが向かう先には果たして、平和が…