自作詩「cross road」

「cross road」

街中を歩いていると

君が前を歩いていた

黒いフードがトレードマークだったからすぐに分かった

私は早歩きで君に近付こうとした

すると君は早く走っていった

私は早く走ることができなかった

それでも君についていった

君は右に曲がった

私も右に曲がった

でも君を見失った

あんなに足が遅かった君も成長したんだね

私は壊れた時計みたいだ

過去に歩んできた道を振り返って掴むのは汚い空気

これから歩む未来を気にして掴むのは冷たい空気

だから私は今だけを見るんだ

君を見失った私は

次に幸せを見つけて追いかけた

幸せは桃色でハートの形をしていてプカプカと浮かんでいた

それは左へ曲がった

私も左へ曲がった

でも幸せは更に高く舞い上がって空を飛んだ

私は羽根がないから無理だった

下を向いて見えるのは暗い過去

上を向いて見えるのは不安な未来

だから私は自分の目線でいくことにしたんだ

右に行って思うのは失った恋

左に行って思うのは逃した栄光

でもこれからも可能性はあるんだ

☆

江國香織さんの「スイートリトルライズ」読み終えました。

セックスシーンもありましたが、江國さん特有の透明感のある文章で不思議と厭らしく感じませんでした。

本作は不倫の話なので賛否両論ですが、表現の自由なので。

（それなら殺人シーンはどうなるの、って思いますね。）

離婚しなかったんでしょうか、意外です。

表紙は犬ですが、テディベアも描いて欲しかったですね。