アイデアリズム idealism daydream

[長文] RoHS指令とはいうものの「鉛フリーはんだ」「有鉛はんだ(共晶はんだ)」 2つを使ってみるとぶっちゃけ共晶の方が使いやすい 2024年04月14日

2024年04月14日


・「鉛フリーはんだ(Pb=鉛を使っていないはんだ)」と「有鉛はんだ(共晶はんだ、鉛を使っているはんだ)」、はんだごてなど

 私はときどき修理にはんだ付けをしたりするのですが…、


・正直言って「有鉛はんだ(左)」の方が「鉛フリーはんだ(右)」よりも使いやすいよねーッ!!
・「有鉛はんだ」はサッと溶けてピタッとはんだ付けできるしッ!! (濡れが良いともいう)
・「鉛フリーはんだ」はピタッとという感じじゃないし、はんだの付きもイマイチなので「なんか微妙にムズイ…」

 はんだ付けをする時は基板」「部品」の両方を温めないとはんだがくっつかないのですが、

・「有鉛はんだ」よりも「鉛フリーはんだ」の方が融点(溶け出す温度)が高いため、少し長めにはんだごてを当てて基板と部品の両方を温める必要がある

 一応こて先が400度くらいのはんだごてを使っているのですが、

・「鉛フリーはんだ」だと上記の通り少し長めにこて先を当てなくてはいけないので「部品や配線(基板)を壊しそう…」

 作業もなんか難しいし、

・価格も「鉛フリーはんだ」は「有鉛はんだ」の2倍だゾッ!! (100円ショップ的には)
・「鉛フリーはんだ」は基本的にAg(銀)という貴金属が3%含まれているので、どうしても高くなってしまうのは仕方ないのかもしれない

 あと、検査やら確認のしやすさ、しにくさもあって、


・左が「鉛フリーはんだ」で右が「有鉛はんだ」の例

 「実際にはこんなに盛らない」のですが分かりやすく盛って比べてみました

「有鉛はんだ」はピカピカと鏡のようになる
「鉛フリーはんだ」は「くすんだ感じ」になる

 ので、

・「鉛フリーはんだ」だと「クラック(壊れている)」しているのか「正常にはんだ付けされているのか」が目で見ても良くわからない
スルーホールフローのはんだ槽(機械ではんだ付け)でも時々「(濡れが悪いから)はんだ付けできていない」時が多々あって修正がチョッと面倒くさい…
・そんな感じなので「有鉛はんだ」と比べると「鉛フリーはんだの方が明らかに不良品が出やすい」ので「正直シンドイ…」
・細かいことを言うなら「鉛フリーはんだ」対応のこて先を使っても「こて先の減りが早い」のでしょっちゅう替える必要がある

 EU(ヨーロッパ)の人たちが「Pb(鉛)なんて環境を汚すし危ないしッ!!」ということで、

RoHS指令(ローズ指令)出しちゃったンで「鉛使っている電子機器なンて輸入しないからッ!!」(2006年07月から)

 そーゆーわけで電子機器メーカーや電化製品メーカーは鉛が入っていない「鉛フリーはんだ」を使うハメになったものの、

・RoHS指令は「有害物質だから当然危ないよね」っていう「雰囲気で決めた感じ」のもので「実際に環境とか人体の影響を測って決めたわけじゃない(要はエビデンスがイマイチ)
・RoHS指令は「弾丸とかバッテリーは規制対象から外している」ので「ダブルスタンダードじゃねーの?

 私はお仕事で電子機器メーカーにいたことがあって、そこでは「鉛フリーはんだ」「有鉛はんだ」の両方を使っていたのですが、

・「鉛フリーはんだ」→日本国外向け製品
・「有鉛はんだ」→日本国内向け製品(日本のJ-MOSSはRoHSみたいに厳しくはないため)

 お仕事で「有鉛はんだ」を使うのでミンナやEUの人たちのイメージでは、

・さぞかし危険で鉛中毒になってカワイソウ…って思うかもしれない

 のですが、

・3年間お仕事をさせていただいて毎日「有鉛はんだ」を使っても私を含めて従業員が鉛中毒になったことはない

 し、

・たぶんはんだ付け程度では鉛中毒にならンし…

ホビー(趣味)でチクチクはんだ付けするくらいだったら全然鉛中毒にはならないと思う(どちらかというとフラックスの方が危ないので作業中は換気をすること)ので「鉛フリーはんだ」よりも「有鉛はんだ」の方が扱いやすくキレイにできると思う
・もちろん「有鉛はんだ」を直接食べたら鉛中毒になるかもしれないので「はんだを食べないことッ!!」(なんか小さい子供にゆってる気がするのだが…)

 電化製品や電子機器を「直して使いたい人」は少し注意が必要で、

・RoHS指令は2006年07月から施行された

 ので基本的には、

・2006年07月以降の製品は「鉛フリーはんだ」が使われている
・2006年07月以前の製品は「有鉛はんだ」が使われている


・「鉛フリーはんだ」を使っている製品はたまに「RoHS」と親切に書かれている時がある

 上記ですでに説明したように「"有鉛はんだ"よりも"鉛フリーはんだ"の方が温度を高くして、かつ、少し長めに基板や部品を温めないと、はんだの付きが悪い」ため、

・「鉛フリーはんだ」を使っている製品(RoHS)→「鉛フリーはんだ」「有鉛はんだ」のどちらを使って直しても良い
「有鉛はんだ」を使っている製品→基本は「有鉛はんだ」のみで「鉛フリーはんだ」は使わない方が良い

 また、

・「鉛フリーはんだ」を使うのであれば「鉛フリーはんだに対応している部品(要は高温でも壊れない部品)」が望ましい

 私のはんだ付けは下手なので、

腕に自信が無いから「共晶(有鉛はんだ)」の方が好きかなー
・ムズイくて高い「鉛フリーはんだ」に「メリットを全然感じない」ンで、お仕事やお仕事の練習以外で使うことは無いなぁ…

 そんな今日この頃。
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