まるで栞が挟まっているかのように
思い出される君の泣き顔
あの頃はただ「愛している」が欲しかったのかもしれない
本当かどうかなんてどうでもよくて、「愛している」という音が欲しかった、ただ聞きたかった。
今はきっと「愛している」が聞けたとしても、あなたにとっての愛はなにか?と聞いてしまいそうでさえある。
セボンスターを今になって買い占めても何も満たされなかった感覚にそっくり。
意味なんて量なんてなくて、その言葉をくれたことに意味があるなんて到底思えないのは、心ではなく頭を使いすぎてしまったからだ。
感じ方を忘れてしまったからだ。
寒い夜だれかの体温がここにあればなと思ったけれど
だれかの体温があったってきっと寒いままだろうな
冷えすぎてしまうと感覚が鈍くなることを知ってる?
もう長らく閉ざしていたから、何も感じないように。
そんなこんなでもう、私は、だれかの体温すら、隣で寝てくれるだれかの体温すら、
わからなくなってしまっている。
隣にいてくれる、もはやだれかではない誰かにさえ、誰かの心にさえ触れることはもうできないのかもしれない。