徘徊に潜む危険と対応策

理由を知って危険から守る

徘徊する主な原因である中核症状

2024-04-05 06:17:36 | 徘徊

認知症高齢者の症状の徘徊には、徘徊が起こりうる原因がある。

認知症には、中核症状と周辺症状の種類があり、徘徊は周辺症状の一つである。
周辺症状は、中核症状に身体的または心理的要素、生活環境の変化などが加わり起こされる症状も含まれる。
徘徊の周辺症状の要因となる主な中核症状とは、見当識障害や実行機能障害がある。
見当識とは、自分のおかれた状況を適切に把握する能力のことだ。
見当識障害になると、自分の置かれた環境である時間や場所や周りの状況もわからなくなる。
トイレに行こうと部屋を出てもトイレの場所がわからない。
また、人との関係性などもわからなくなるので、家の中で家族に会っても知らない人がいると勘違いをして、自分の家に帰ろうと外出をしてしまい、迷って徘徊状態になることがあるようだ。
実行機能とは、物事を適切に把握し論理的思考を持って計画的に行動することだ。
この実行機能障害になると、効率良く行動する事が出来ないので複数のことを同時に行えなくなったり、想定外の出来事に出くわしたときに対応できない。
たとえば、洗濯をしている間に他の家事をするとか、通い慣れた道が工事中で通れないときにどう行動して良いのか分らなくなるなどだ。計画通りに行動できないことから、遂行機能障害とも呼ばれる。
中核症状には、見当識障害や実行機能障害以外にも、記憶障害や判断力や理解力の低下、言葉が出てこない失語に、人や物の認識が出来ない失認、作業手順を忘れる失行などもある。


予防効果も兼ねた徘徊への対策

2024-03-14 06:17:36 | 対策

高齢者の徘徊は、本人にとって明確な理由が存在する。

出かけるときには目的をもって出かけたが、返ろうとしたときに家が分らなくなって徘徊することがある。
たとえば、目的地に向かっていたのに、道に迷ってうろうろしてしまう。
過去の習慣を思い出して同じように行動するため、外出してうろうろする。
自宅に居るのに知らない人がいると思い不安になり、その家から出て徘徊してしまう。
前頭側頭型認知症の場合は病気の症状が同じ行動を繰り返す症状なので、病気の場合も考えられる。
これらの原因を理解することで行動を把握し、徘徊によるリスクを減らすことが可能だ。
徘徊の予防には、居場所を分りやすくしておくのも一つの方法だ。家の中でトイレや自室がわからなくならないように扉に印をするなど工夫すると良い。
外に出てしまう場合は、家族が気がつくように玄関にセンサーなどを設置する方法もある。
また、GPSの付いたアクセサリーなどを身につけさせておくのも有効だ。
地域包括センターや警察など、見守りを協力できるところがある場合は届け出をしておくのも良いだろう。
また、日頃から一緒に出かけて立ち寄りそうな場所を把握しておくのも一つの方法だ。
近所で立ち寄りそうなところや行動パターンを知っておけば、徘徊してしまったとしても早期発見につながることがある。
家族が認知症になってしまった場合は家族内だけで対策するのではなく、地域との連携も必要で、そうすることが高齢者が徘徊することで起こる事故や危険を減らせると期待できる。
徘徊への対策はおすすめサイトも要チェック→→“http://haikai-stop.com