いきもの散歩

近所の自然観察、飼育している川魚の記録

トンボ観察@10月下旬 〜カワトンボ交尾、アオモンイト3連結〜

2017年11月01日 | 昆虫類
静岡県東部で10月下旬に観察したトンボたち。


オオアオイトトンボ

排泄中。


今回見かけたのはすべて雄だった。
また、新たな水辺での生息を確認。その近くにある、木々が鬱蒼と生い茂った場所を調べれば、もっと見つかりそう。


アオハダトンボ

今回は雌1頭のみ確認。
一度だけ近くまで来たが、こちらに気づくとすぐに逃げてしまった。
アオハダトンボは5月から観察してきたが、長かったシーズンの終わりが近づいているのかもしれない。


アサヒナカワトンボ

雄(橙色翅型)


雄(無色翅型)


雌(無色翅型)。食事中。


連結したペア。雌が交尾を拒んだが、強引な雄に押し切られた。





交尾は4分間続いた。


交尾直後の2頭。仲睦まじく見える。


雌は交尾後7分間、葉の上にとまっていた。
そしてその後、どこかへ飛んで行った。


今回は20頭程に会えた。10月中旬は5頭前後だったので、目にする数が急に増えた。ただ観察した時間帯が異なるので、それが影響している可能性がある。
まだまだ会えそうな感じだが、今年は秋の深まり&冬の到来が早そうなので、状況は一変するかもしれない。


ハグロトンボ



写真は共に雌個体。
川沿いや湧水周辺で8頭(雌x6, 雄x2)を確認。
「10月上旬でシーズンはほぼ終了」と以前に書いたが、そんなことはなかった。数は多くないが、まだ会えた。


アオモンイトトンボ

3連結。交尾している雄に別の雄が連結している。この結合パターンはAB型と呼ばれ、3連結の中では比較的よく見られるとのこと(via 書籍「日本のトンボ」)。
しばらくすると、雄に連結していた別の雄が離れ、通常の交尾態になった。



こちらは田んぼ脇水路で産卵する雌。
この水路では今年、多数のアオモンイトを観察してきたが、今回見つけたのはこの雌1頭だけ。

アオモンイトの数は前回と比べて激減した。もう少しの間、会えると思うが、別れの時期が近づいている。



ナツアカネ





上から雄、雄、雌。
平地の川沿い等で多数を確認。
里山では多数のアキアカネに混じって雌1頭だけ確認。


アキアカネ



里山では畑に立っている棒に多数がとまっていた。また、獣害対策用の電気柵にとまる個体もいた。
平地の田んぼでは連結や交尾態で飛翔している姿を見ることができた。

今の時期、平地の田んぼでよく目にするアカネ属は、沼津市東椎路~浮島沼ではアキアカネ、駿東郡清水町や沼津市大平ではナツアカネ。この違いはどこから来るのだろう。



マユタテアカネ



上から雄、雌(翅斑型)。
里山などで確認。
ほとんどが雄で、翅端に斑がないタイプの雌には今回会えなかった。



コノシメトンボ

この辺りでよく見るマユタテアカネの雌(翅斑型)と思っていたら、コノシメトンボの雌だった。ここでは初確認。
近くにある調整池が、様々なトンボの繁殖に利用されているようだ。


このような写真でもマユタテアカネの雌(翅斑型)ではないと即座に判断できるようになりたい。


ミヤマアカネ



上から雄、雌。
里山などで確認。見かける数は1、2頭と少ない。


##### トンボ観察結果@10月下旬 #####
オオアオイトトンボ
アオハダトンボ、アサヒナカワトンボ、ハグロトンボ
アオモンイトトンボ
ミルンヤンマ*
オニヤンマ*
ナツアカネ、アキアカネ、マユタテアカネ、コノシメトンボ、ミヤマアカネ
全12種
目視確認のみは * を付けた。

ギンヤンマはとうとう姿を見なくなった。オニヤンマは晴れた日中に巡回飛翔しているのを、ミルンヤンマは夕方に捕食飛翔している姿を見た。しかし、それぞれ2頭と数は少ない。

今日から11月。12月でも越冬種以外のトンボを観察できないわけではないが、今月は今年のトンボ観察を締めくくる月と言える。
今月はオオアオイトトンボ、カワトンボ、アカネ属が主な観察対象になる。それとともに、今月会えるかわからないが、アオハダトンボ、ハグロトンボ、アオモンイトトンボの状況もしっかり見届けたい。


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