いきもの散歩

近所の自然観察、飼育している川魚の記録

不明のアカトンボ

2018年10月05日 | 昆虫類

上の写真は先日見つけた小型のアカトンボ(オス個体)。見たことがない翅胸側面の黒条。フィールドでは、翅胸側面中央の黒条が細くて短いタイプのアキアカネなのかなと思った。



あとは、台風24号通過後ということで、飛来系のアカトンボの可能性も浮かんだ。
帰宅して調べてみると、「タイリクアキアカネ」という大陸からの飛来種の可能性があることがわかった。タイリクアキアカネの特徴は次の通り。

@翅胸第1側縫線に沿う黒条は細く短い個体が多い





@一回り小型で胸が小さい
今回の個体を最初に見た時、その小ささからヒメアカネを連想した。書籍「日本のトンボ」によると、タイリクアキアカネの全長は♂29-40mm, ♀27-40mm。ヒメアカネは♂28-38mm, ♀29-38mmとのこと。
胸に関しては、何との比較で小さいということなのだろう(via 書籍「トンボのすべて」)。全長と比べて?他のアカトンボと比べて?写真で見る限り、全長と比べて特段小さいようには見えないのだが、どうなのだろう。


@額基条の凹凸が目立つ個体が多い




アキアカネの場合は、目立たない個体が多いとのこと。
今回見つけた個体は額基条の凹凸が比較的目立つのではないだろうか。


@上付属器の小突起は下付属器の小突起より内側となる傾向がある




写真が不鮮明でわかりづらいが、今回の個体はこれに当てはまっているように見える。
また、アキアカネはほぼ同じ位置になる傾向があるようだが、過去に撮影したアキアカネ♂の写真を探してみると、上付属器の小突起が下付属器の小突起より内側となる個体もいた(不鮮明な写真しかなくて少し自信がないが)。


@翅脈の橙色みがアキアカネより強い
わかりやすい写真を撮影できなかったため、はっきりとはわからないが、今回の個体は若干橙色みがあるように見える。


@大陸からの飛来種ということで、国内では日本海側を中心に飛来記録がある
今回の個体を見つけた静岡県には飛来記録がある。また、非常に風が強かった台風24号の通過後ということで、太平洋側まで飛来してきた可能性は十分あるのではないだろうか。


タイリクアキアカネは国内の種ではアキアカネとごく近縁で、ミトコンドリアDNAでは区別できず、種間雑種も生じ、外部形態での同定は非常に難しいとのこと(書籍「日本のトンボ」)。つまり、現状では自分のような素人には正確な同定は無理ということ。なので、肩肘張らずに今まで通りに「なんちゃって同定」路線でやっていこうと思う :)


タイリクアキアカネ(?)


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