アキアカネなどの赤とんぼの複眼後側縁にある黄斑は、種ごとに違いがあるのだろうか、同定時に役立てることはできるのだろうか。興味が湧いたので、赤とんぼの複眼後側縁が写った写真を何枚かピックアップしてみた。
ナツアカネ
ナツアカネ ♂
ナツアカネ ♀
アキアカネ
アキアカネ ♂
個体差や年齢による違いがあり一概には言えないが、アキアカネの複眼後側縁の黄斑は目立つ印象がある。
アキアカネ ♀
ネキトンボ
ネキトンボ ♂
この個体は複眼後側縁に黄斑がない(よく見ると、その痕跡のようなものはある)。これは種の特徴なのか、年齢や個体差によるものなのか。確認できる写真を他に持っていないので、ネット上の写真を調べてみた。すると、小さくてあまり目立たないが、黄斑がある写真が見つかった。ただ、黄斑がない個体の写真が多かった。
ミヤマアカネ
ミヤマアカネ ♂
ミヤマアカネの複眼後側縁の斑紋は、ナツアカネやアキアカネのものとは異なっている。
ミヤマアカネ ♀
マユタテアカネ
マユタテアカネ ♂
この個体の場合、複眼後側縁の黄斑は確認できるが、目立たない。ただ、これは個体差がある。また、マユタテアカネの成熟〜老熟♂は、この黄斑がアキアカネ程には目立たない傾向があるのかもしれないと感じている。そのため、近付いたり、移動してアングルを変えたりしないと同定ポイントを確認できないような状況で、アキアカネとマユタテアカネのどちらの成熟♂なのかでとりあえず当たりをつけたい時に、不確実な方法と思いながらも複眼後側縁の黄斑をチェックすることがある。
マユタテアカネ 未成熟♂
マユタテアカネ ♀
ヒメアカネ
ヒメアカネ ♂
ヒメアカネ 未成熟♂
ノシメトンボ
ノシメトンボ ♂
コノシメトンボ
コノシメトンボ ♂
コノシメトンボ ♀
リスアカネ
リスアカネ ♂
ショウジョウトンボ
赤とんぼ(アカネ属)ではないが、参考のために掲載する。
ショウジョウトンボ ♂
ショウジョウトンボ 老熟♀
ということで、赤とんぼの複眼後側縁の黄斑を見てきた。これに関して、ミヤマアカネやネキトンボはアキアカネなどの他の赤とんぼと違いがあることがわかった。同定時に積極的に利用するに値するものとは思えなかったが、この黄斑から読み取れることがあるのではという思いはまだ残っている。