いきもの散歩

近所の自然観察、飼育している川魚の記録

樹洞の住人

2020年02月19日 | 甲殻類
表紙画像はエノキの洞。公園を散策し、樹洞を見て回った。
春になると、この公園内の池では、数は多くないもののホソミイトトンボ(越冬型)が見られる。


ホソミイトトンボ(越冬型) 捕食中, 2019.06


ホソミイトトンボ(越冬型) 連結産卵, 2019.05

そこで、越冬中のホソミイトトンボがいないか、公園に植えられた木々の洞を見て回ったというわけだ。残念ながら、ホソミイトトンボは見つからなかった。どこで越冬しているのだろう。

洞の中にいたのはワラジムシ。

ワラジムシはヨーロッパ原産で、「わらじ」に似ていることが名前の由来である。節足動物で、エビやカニなどと同じ甲殻類だ。その中でも等脚目(ワラジムシ目)と呼ばれるグループに分類され、ダンゴムシやフナムシ、ミズムシ、ダイオウグソクムシらが属する。


ちなみにワラジムシと同じ等脚類のミズムシがこちらの写真で、河川や湖沼、池などに生息する(半翅目の水生昆虫であるミズムシとは異なる)。写真の個体は上の方が頭部。頭部には2対4本の触覚があり、長い方が第2触覚、短い方が第1触覚。ワラジムシも2対4本の触覚を持つ。また、等脚類の足の数は7対14本である。ただし、生まれたてのダンゴムシは左右に6本ずつ計12本しかないが、2度目の脱皮を経て14本になる[1]。

話を戻してワラジムシであるが、ダンゴムシに似ている。大きな違いの1つは、ダンゴムシは丸くなるが、ワラジムシは丸くならない。ダンゴムシは動きが鈍く、身を守るために丸くなる必要があった。しかし、ワラジムシは足が速いため、丸くなる必要がなかった、ということのようだ。他には、ワラジムシの体色は薄い灰色でダンゴムシのような艶がない、尾部に角のような1対の尾肢がある(ダンゴムシの尾肢は隠れている)、などといった違いがある。
ワラジムシは腐葉土や朽木などを食べる。


参考
[1]ダンゴムシの構造&体のつくりを徹底解剖
[2]45年間ワラジムシを研究して, 布村昇, やまとと自然 No.167 2019


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