いきもの散歩

近所の自然観察、飼育している川魚の記録

なさけ

2019年05月18日 | 昆虫類
GWにベッコウトンボを見るために桶ヶ谷沼に行ってきた。
毎年実施される2回のベッコウトンボ調査会の結果を事前に見て、今年のベッコウトンボの撮影は厳しいことになりそうだと思っていた。4月29日に実施された第二回調査会では昨年の91頭を11頭上回る102頭を確認した。しかし、そのほとんどが関係者しか立ち入れないエリア(保護用のいけすを設置)で確認されているようだったからだ。行くかどうかで少し悩んだが、ベッコウトンボに会えなくても水辺散策は楽しめるので行ってしまえ、ということになった。



ベッコウトンボに会えるかドキドキしながら、昨年複数の個体を確認したエリアにまずは行ってみる。しばらく散策して、ヨツボシトンボを数頭、ショウジョウトンボやシオカラトンボの未成熟個体を多数確認した(多数のクマバチも)。しかし、案の定ベッコウトンボは見つからない。


ショウジョウトンボ 未成熟オス

そこで、調査会でベッコウトンボが多数確認されたエリアに行ってみることにした。



保護用のいけすが設置されたエリアの中に入ることはできないが、外からベッコウトンボが見れたらいいな、というところだ。すると、ちょうど関係者の方が作業のために「いけす設置エリア」に入るところだった。すぐに近づき「中でベッコウトンボを見せてもらえないでしょうか」とお願いしてみた。関係者の方は作業を終わらせ、すぐに帰るつもりだったようで、一瞬困ったような表情をされたが、快く見学させてくださった。



いけすでは5, 6頭のベッコウトンボを確認した。午前中は数十頭いたそうで、午後はどこかで休んでいるのでは、とのこと。
ベッコウトンボはじっと止まってくれず、風も少し強かったので撮影するのは難しい。撮影はすぐに諦め、関係者の方に保護活動について質問し、お話を聞かせてもらうことに集中した。保護活動でたいへんなこと、ベッコウトンボvsヨツボシトンボなどの他に、これ以上産卵してヤゴが増えないようにいけすに網を掛けている、といった話も聞かせてくださった。


いけすにいたヨツボシトンボ

関係者の方は作業をしながらお話してくださったが、その作業自身が自分にとって「保護するにはここまでしないといけないのか」というものだったので一番驚いた。

見学させていただきベッコウトンボを見れた後は、近くの実験池でクロスジギンヤンマの飛翔撮影に挑戦したり(惨敗)、隣の鶴ヶ池を散策したりした。


鶴ヶ池

この後は帰ろうかと思ったが、再び桶ヶ谷沼に戻り名残惜しく散策していると「やはりベッコウトンボを撮影したい!」という気持ちが込み上げてきた。昨年複数のベッコウトンボを確認したエリアにもう一度行き、最後の悪あがきをやってみることにした。40分ほど歩き回った。しかし、ベッコウトンボの姿は見つからない。GW中、いろいろな水辺へ出かけ休みなく歩き続けているので、1日2, 30km歩くことは珍しくない自分も、かなり足にきていた。残念だが、そろそろ帰るかな、と思いながら歩いていると、前方から黒いトンボが飛んできた。そして、自分の1メートル手前にとまった。



このタイミングで遂に会えた。トンボの神様のなさけ以外ない。
これがラストチャンスで次はないので、1ショット目はドキドキした。



こちらが横に動くと、反応して飛び上がってしまうので、同じ位置からの撮影ばかりになった。
デジカメの液晶で確認すると綺麗に撮影できているように見えるが、PCモニターで等倍で見るとピントが合ってなかったり、ブレていたりすることがよくある。焦点距離、シャッタースピード(ISO感度)など設定を変え、最短撮影距離も気にしながら、とにかく撮影しまくった。下手な鉄砲なんとやらである。とりあえず、複眼にピントが合った写真が少なくとも一枚あることは確認できたので、撮りたい位置に移動して撮影してみることにした。すると、ベッコウトンボは飛び上がり、入りづらい草むらの中央に飛んでいき、姿が見えなくなってしまった。この日の状況を考えれば、これ以上は欲張りというものなのだろう。

しんどい一日ではあったが、最後にベッコウトンボを撮影することができた。また、ベッコウトンボの保護活動をされている方から直接お話を聞くことができた。最終的に上々のトンボ観察の一日となった。

最後にお世話になった関係者の方にお礼を申し上げます。




@参考
第一回ベッコウトンボ調査会報告|桶ケ谷沼を考える会
第二回ベッコウトンボ調査会|桶ケ谷沼を考える会
ベッコウトンボ調査会(第1回・第2回)の報告を更新しました | 桶ケ谷沼ビジターセンター
ベッコウトンボ、減少に歯止めか 磐田で個体数調査|静岡新聞アットエス

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トンボ観察@4月下旬 ベッコウトンボに会ってきた - いきもの散歩, 2018年の記事



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