「いえ、他に何もお伝えすることはありません。…強いて言えば普段は物陰に身を潜め、控えておりますので、用事がある時はお呼びください。」水口城(みなくちじょう)は、滋賀県甲賀市にあった城。水口御茶屋とも呼ばれる。関ヶ原の戦い後、徳川氏の直轄地となった水口は東海道の宿場町に指定された。その後、三代将軍徳川家光が寛永十一年、京都への上洛の際の宿館として道中の水口に築かせた。茶人で庭園づくりの名人、小堀遠州を作事奉行として豪華な御殿が建てられたが、将軍の宿舎としては家光が一度使ったのみである。