英国行きの事を考える暇もなく、出発間近となってしまった。
留学の手配をしてくれた本部から電話あり。
「いよいよ出発の日がせまって参りました。ご質問などありませんか?」
し、しつもん?何を聞いたらいいかさえわからない。
「お荷物はもうご準備出来ましたよね?」
「いえ、全然。」
「え“っ!?・・・」
絶句させてしまった。
「では準備はこれからですか、大変ですね。」
「あ、はい。明日は少し時間が取れますので」
「お仕事お休みですか?」
「いえ、休みでは・・」
「・・前日とかはちょっとゆとりもてそうですか?」
「あ、仕事です。」
「・・早く帰れそうです?」
「いえ、夜中かと・・」
「え“っ!?・・・」
また絶句。
ホームステイの後、数日うろうろする予定なんだけど
その宿もまだ取ってないとは、とても言い出せなかったよ(汗)
とりあえず、トランクを借りに実家へ。
それから、ホームステイ先への土産を考える。
日本人の多いクラスではないので、和風の物は何でも珍しくて喜んでくれるらしい。
では、昔作った手まりはどうだろう?
母と2人でどちゃっと並べて奇麗そうな物を選ぶ。

子供のころ近所のおばあちゃんが手まりの作り方を教えてくれた。
学校終わりにみんなで集まって、好きなデザインに挑戦したっけ。
優しくて小さかったおばあちゃん。
団地の狭い一室での穏やかな時間・・懐かしいなあ。
ふと思い出にひたっていると、
突然母の大声。
「なおみ!水着持った?」
はあっ?
「水着よ水着。持った?」
「冬のロンドンやで。なにすんねん。」
「そんなん、何があるかわからんやん。」
・・・なにがあると言うのだ?
そんなこんなの、
てんやわんやでまた一日過ぎてしまった。
行く前から珍道中。
う~ん、前途多難の予感・・・