出版社:新風舎文庫
この本は昭和59年に起こった グリコ・森永事件を
ほぼ私見無しに説明している内容の本です
もちろん事件の犯人の推測もありません
ただこの大事件がどんな事件であったかを描いています
貴方にとっていままで起こった社会事件で最も
印象に残ることは何でしょう?
オウム事件か? 三億円事件か? 浅間山荘か?
宮崎勤幼女連続殺人? 日航機御巣鷹墜落?
自分では三つ心に留まっています
一つ”阪神大震災” 自然の前の人間の無力さを感じる
一つ”酒鬼薔薇聖斗”連続殺傷 なんとも言えぬ虚しさ
そして”グリコ・森永事件”であります
この事件が大事件である理由はたくさんあります
・グリコという大会社の社長を拉致する大胆な犯行
・グリコ、丸大、森永、ハウス、不二家など
ターゲットを次々と変える異常さ
・社長拉致という会社への恨み的犯行から始まり
無差別的現金脅迫への犯行意図の変遷
・一般市民を無差別に巻き込んだ殺人未遂
・マスコミ、メディアを小馬鹿にした劇場犯罪
まあ簡単にまとめるとこんな感じ
まず今では常識になっているけど、お菓子の外装に
ビニールパックがついたのは、この事件で犯人が
青酸ソーダを全国にばらまいたからです。
またこの事件の模倣犯は数え切れず、
実際殺人も起こっております
また本来誘拐事件の身柄確保最優先のため
誘拐が起こっても、報道を控える報道協定が、
一度社長誘拐を報道されてから行われたこと
さらに誘拐でなく、脅迫金受け渡しの為に
犯人と接触するためにのみ、行われる報道協定
いまだに犯人との裏取引の憶測が飛ぶ
人質江崎社長の無傷の脱出劇
それゆえに何社にも犯人はゆすりを掛けたのか?
脅迫電話に子供や女性の声を使ったり
全国各地から寄せられる 食品メーカーへの脅迫文
マスコミへの20通を超える挑戦状
また映画を思わせる現金受け渡しの方法指示
犯人の奥ゆかしさを感じます
またグリコ本社工場が放火されたときの描写は
犯人の恐ろしさを感じます
そんな犯人を逮捕するチャンスがなかった訳でもありません
①もちろん江崎社長誘拐の時
②グリコ脅迫時の北摂地区での現金受け渡し
③丸大事件で現金輸送を見守ったキツネ目の男の尾行
*この人物はハウス食品時大津SAでも目撃
④ハウス事件時の現金受け渡し場所での
職務質問で逃走を許した時
上記のピンチの時に犯人は運に恵まれてもいました
②の時は唯一の目撃者のカップルが車を買い替えた
ばかりで自分お車のナンバーをうる覚えで検問を抜けれた
③の時は犯人逮捕の判断が遅れ 見失う
④は滋賀県警の情報が下まで徹底されておらず
不用意に職質をかけて 逃走を許したこと
結局今残るのは 警察の縦割り社会の虚しさ
犯人逮捕を優先させた報道の魂の行き場のない虚しさです
まあこの事件でいえば死者も出ていないし
表向きお金も一円も取られていません
ただ何百人のパートさんたちはリストラされているし
犯人を逃がした滋賀県警のえらいさんは自殺しています
この事件はもうほとんど時効になっています
不謹慎だが犯人になぜこの事件を起こしたのか?
恨みからの犯行か? 現金目的の犯行か?
犯人の本当の目的を教えてほしいと思います。
あまりにも動機がわかりにくい
それがこの事件を瞑想させたような気がします
そして犯人はどのような人なのか?
そのなぞを解きたくて 3冊目の本を読みます
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