世界の中の極々小さな断片

田舎暮らしの日常と地元を走るローカル線を短いエッセイと写真で綴る。
※ブログのタイトルが変わりました。

Box

2013-07-03 11:55:13 | 日記













深夜の電話ボックス。

迷いに迷い、どう切り出そうか悩み結局は深夜。

こんな時間に起こしたら・・・



携帯も部屋にも電話の無い時代。

遠く離れた郷里の家人にどう、無心を懇願するか・・・

どうしても言い出せず、

結局は受話器を握りしめたまま諦めた。


若かりしの一夜である。

頼めば、嫌とは言いはしないだろうが

心配させてしまう事に気がひけた。


仲良くしていた多くの友の中に憧れの異性がいた。

仲間とわいわいと戯れ、おくびにも言い出せず、

しかし、思いはつのる。


意を決して、向かうボックス。

やはり、迷い、悩み、結局は諦める。


青春時代の苦いステージがここにはあった。

しかし、今は町中で見る事もめったに無くなってしまった。

思い立てば、いつだって掛ければいいし話すのが嫌なら

メールで済ます。


悩みや迷いの時間が無くなった。

自分と他者について深く考えれなくなった。


知らず知らずに、ひとを傷つけてしまってはいないだろうか。

自分の浅い想いが・・・
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