ジュエリーでコーヒーブレイク!

ジュエリーは人にパワーを与え、邪気から守る奇跡の鉱物。アクセサリーとは違います。もっとジュエリーを知り、楽しんで下さい!

ダイヤモンドって?

2021年05月19日 | かなり真面目なお話

 ダイヤモンドに限らず、宝石は鉱物です。ダイヤモンドは、鉱物学的には「C(炭素)」で表されます。そう、現代、地球温暖化の原因として、世界中から嫌われ者となっている「CO2」の「C」です
 ダイヤモンドは、10億年以上前、地下120~180キロあたりで、1200℃以上、大気の45,000倍という超高温超高圧のもと、誕生しました
 その後、地球の活発な火山活動により、ダイヤモンドはマグマに乗って音速以上のスピードで、一気に地表近くまで押し上げられます 急上昇したダイヤモンドを含む炭素の岩「キンバーライト」。この垂直に押し上げられた筒状のキンバーライトは、上昇スピードが速かったために一気に冷やされました でもね、もしその冷えるスピードが遅かったならば… ダイヤモンドはダイヤモンドではなく、真っ黒な石炭や黒鉛(グラファイト、鉛筆の芯の材料)になっていたのですよ 石炭やグラファイトも、ダイヤモンドと同じ炭素「C」由来の鉱物なのです。鉱物としては同じ!ちょっと信じがたいけれど、ふふふ

 最初にダイヤモンドが歴史上に登場するのは「インド」です
紀元前3,4世紀の頃と言われています。ダイヤモンドに限らず、多くの鉱物は高密度なために風化しにくく、地上近くにあったキンバーライトから分離したダイヤモンドの原石は、長い時間をかけて水の流れに入っていきます。
 こんな映画やアニメを観たことありませんか?一獲千金を夢見た男達が、ザルのようなものを持って、川で砂金を探す… これは「金」のお話ですが、宝石も同様に最初は「水の流れの中」から見つかることが多かったのですよね。ダイヤモンドも、まさにその通りで、インドの河岸で見つけられます。
 けれど、これはあくまでも「分離した原石」が川の流れに入って流れてきた、というだけですから、いつまでもそんなことが続くわけではありません そこで、やがて人は「宝石の原石がもっとたくさん眠るであろう鉱脈」を探して「掘る」という時代がやってきますが…それはずっと後世のお話。この手のお話は、また別の機会に。

 さて、話を元に戻しましょう。
インドで見つけられたダイヤモンド。しかし、ダイヤモンドはあまりに硬く、割ることは出来ても加工することが出来なかったため、その後、ながーい間、装飾品の宝石というよりも「非常に硬い鉱物」「未知の東方からやってきた神秘の石」として「魔除け、厄除け、お守り」のようなものとして、権力者達に大切にされたようでした

 古代ローマの有名な政治家でもあり、軍人でもあり、博物学者でもあった「プリニウス」は、彼の著書「博物誌」の中で、ダイヤモンドを鉄などと同様に「硬質な物質」として分類しています。
 ダイヤモンドの語源は、ギリシャ語で「征服できないもの」「無敵のもの」という意味の「adamas(アダマス)」という言葉の言葉です。この「adamas」の否定を表す「a」が取れ、イタリア語では「diamante」、フランス語では「diamant」、そして英語の「diamond」となります。

 さて、神秘的な魔除け、厄除け、お守りであったそのダイヤモンドに、大きな大きな転機が訪れます ヨーロッパ、混沌とした時代である1400年代。時の権力者ブルゴーニュ公シャルルは、ダイヤモンドを魔除け、厄除けとしてだけではなく、権力の象徴として「より価値あるものにしたい」と考え、ベルギーのアントワープに住む宝石の研摩師ルドウィック・ヴァン・ベルケムに一層の研究を依頼するのです。
 そして、1475年 ついにルドウィック・ヴァン・ベルケムは『ダイヤモンドを、ダイヤモンドで磨く方法』を発明したのでした。ここから、ダイヤモンドの「研磨・カット」の歴史が本格的に始まります。

 当時の最先端のカットは「ローズカット」。カット面は三角形で、ドーム型に24面にカットされ、裏面は平面です。バラの蕾に形が似ていることから、この名前が付きました。
 ラウンドブリリアントカットに比べると、カット面が半分以下ですので、光の反射は少なめで、光がダイヤモンドの中に取り込まれてしまうため、内包物までよく見えます 
 現代のラウンドブリリアントカットであれば光の反射によって輝きを助けてもらえるので、わずかの内包物があっても、「それなり」のダイヤモンドとなりますが、ローズカットではそうはいきません
 しか~し。当時は「ろうそくの光」が唯一の照明でしたからね。ろうそくの淡くて優しい光を受け、ローズカットのダイヤモンドが、どれほど美しく輝き、貴婦人達を優美に装ったことか…

 さあ、今日はこれくらいにしておきましょうか
ダイヤモンド愛が生まれましたか?今までとは、ほんの少し、ダイヤモンドが違って見えるようになっていたらいいな



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