
ぱらぱらと雨が降ってきたから
そこにはえていた大きな葉を茎から手折って
ひょいとかざして歩いてみたら

ああ、葉っぱって、こんな気持ちなのねえ
雨が降るって、こういう風に感じるのねえ
ぱらぱらぱらぱらって聞こえるのねえ
しずくがたれて、つたって堕ちる

”はっぱ、はっぱ”
”おおきなはっぱ”って誰かがはしゃいだように言うから、
そっちに目をやると、日本語学校の西洋人が、にこにこと
”いいですねえ”
あははは。
日本人、いつでもこんな風にするわけじゃないからね
とまでは言わなかったけど

甥が幼稚園のころ、雨が降ったある日。
園長先生のお話の時間、おりこうに聞いていたみんなが、きょろきょろと窓の外を見やる。
園長先生の話は、そっちのけ。
おかしいなあ、と園長先生が園庭に目をやると、
「けろけろ、けろけろ」
と鳴きながら、水溜りをびしゃんびしゃんと はだしでジャンプする甥の姿。
ニコニコと嬉しそうなその子の手には、大きな葉っぱが傘代わり。
書いていたら思い出した。
バブル期の自分の子育てを反省しつつ(しても始まらない)これからの子供達が 息苦しさの中でなく 水溜りでさえも楽しめるそういった経験の積み重ねの中で育ってくれれば 近頃の事件のようなことは少なくなるでしょうね。
甥っ子は、おおらかです。
こういう子達が、健やかに暮らせる世の中にしなくちゃ、と思っちゃいますね。
ありがと。