写真は、飯豊連峰北股岳(1973.05.27)
今年は花粉の飛散時期が例年と比べ2週間位遅いようで、花粉症の私としては家に引きこもりの毎日が続いている。・・やむを得ず・・・(+_+)
何かブログにアップしたいのだが外には出られないので、自室の本棚にある愛着があってなかなか処分できないでいる昔の山岳図書を紹介してみることにした。
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私が山を初めてから最初に買った本が、郷土の大先輩「藤島玄」さんのこの本だ。飯豊を繞る下越の山々を、地質や気象、動植物から信仰と伝説など丁寧に解説したうえ、登山コースについて詳細に記されている。
身近な山々ばかりなので夢中になって読んだ。巻末には越後の山の基礎技術も掲載されており、以後、私のバイブル的な本になった。
新潟の会社で印刷され、日本山岳会越後支部連絡所の学生書房(当時、西堀通り6)で販売されていた。増刷版も購入したがどなたかに貸し出し、現在は行方不明である。「越後の山旅(上越沿線の山々・中越編)」、「同(妙高中心の山々・上越編)」も発売されていたが購入していない。
余談だが、藤島玄さんとは数回お会いしたことがある。下越地方の山岳遭難対策協議会の救助訓練などで何回かお会いした。また、飯豊の御西~本山間の草原でもお見かけしたことがある。
私にとって尊敬する大先輩であるが、あちら側からすれば「その他大勢」に中に入るのだろうから、「お会いした」ではなく、「その場にいただけ」が正解かもしれない。
昭和38年1月20日発行
発行所 富士波出版社
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№2 飯豊・朝日連峰・・・ニューマウンテンガイドブックシリーズ4
これも藤島玄さんの著書で、飯豊連峰の15の登山コースと朝日連峰の15の登山コースが詳細に記されている。飯豊・朝日の地形、地史、地質、動植物、農事暦、山小屋と山開き、人文などが事細かに記載された山の歴史書的な著書だ。昔の登山者は単に山に登るだけでなく、山岳研究のエキスパートであったことがわかる。
昭和39年5月10日発行
発行所 朋文堂
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№3 越後の山旅(上・下巻)
前掲の藤島玄さんの「越後の山旅、上・中・下越版」を上・下巻として二冊にまとめたもの。
昭和51年4月10日発行(上巻)
昭和54年8月20日発行(下巻)
発行所 富士波出版社
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№4 山岳名著シリーズ(二見書房)
風雪のビバーク(松涛明 著) 昭和49年2月20日発行
登 高 者 (大島亮吉 著) 昭和49年1月31日発行
単 独 行 (加藤文太郎 著) 昭和49年6月15日発行
雪白き山 (深田久弥 著) 昭和49年4月15日発行
昭和初期から40年代の登山黎明期に活躍した岳人の著書。ご存じ「日本百名山」の著者深田久弥氏以外は、厳冬期の前穂高の岩壁や槍ヶ岳の北鎌尾根などで遭難死している。
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№5 新田次郎全集
蒼氷・強力伝
縦走路・先導者
チンネの裁き・錆びたピッケル
富士山頂・アイガー北壁
芙蓉の人・モルゲンロート
孤高の人
八甲田山死の彷徨・岩壁の掟
栄光の岩壁
「孤高の人」は前掲の加藤文太郎氏をモデルにした小説。生まれながらの単独行者と言われ、厳冬期における北アルプス等単独登攀を行った加藤文太郎氏が実名で登場している。
それぞれの冊子には短編も多数掲載されている。
昭和49年6月~昭和50年11月発行
発行所 新潮社
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№6 スポーツ入門双書11
登 山 (日本山岳会編)
日本山岳会登山技術研究委員会が編纂した登山入門書。主に無雪期登山の計画の立て方から歩き方、荷物の詰め方、読図、天候、幕営の仕方、ビバークの対応などについて詳しく解説してある。
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№7 登山技術解説書
図解コーチ 登山 安田正人著 成美堂出版 昭47年刊
山登り 準備と技術 渡辺公平著 社会思想社 昭39年刊
登山技術 岡部一彦著 山と渓谷社 昭47年刊
ワンダーフォーゲル手帳 万有出版編集部 昭40年刊
サラリーマン登山術 岡部一彦著 読売新聞社 昭39年刊
登山をはじめたばかりの頃は、いろんな山岳関係図書を購入して読んだ。とくに、岡部一彦氏の「サラリーマン登山術」はマンガチックな挿絵で面白く分かりやすかった。
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№8 山岳専門図書
山の地学入門 石山尚著 山と渓谷社 昭46年刊
山岳写真入門 白籏史郎著 山と渓谷社 昭49年刊
登山者のための気象学
山本三郎著 山と渓谷社 昭42年刊
山本三郎著 山と渓谷社 昭42年刊
それぞれ、その道のプロが著わした山の専門書。中でも気象庁職員で日本山岳会員であった山本三郎氏の「登山者のための気象学」が、写真や天気図図解などで詳しく解説しており分かりやすかった。地学や写真については、あまり頭には入らなかった。
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№9 「山の花」の本
山登りにも慣れてくると、風景や足元の花々に目をやる余裕がでてきた。いろいろな山の花の写真集を購入し、持ち歩いたり後で調べたりしたが、今はほとんど忘れてしまった。
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№10 越後山岳 第6号 越後国境踏査報告書
この本は、昭和41年の3月から6月に、日本山岳会越後支部創立20周年記念事業として、県下各山岳団体の協力のもとに、県境687kmを踏査した記録である。
全区間を8区に分けて区長を指定し、それぞれの区を数班に細分し各山岳会等が分担した。全コースの5分の4は未踏の領域だったとのこと。
参加した県下山岳団体は実行委員会も含め46団体で、人員571名、日数217日、延べ人員1880人を数え、当時の山岳会活動が意気盛んだったことがうかがえる。
残念ながら私は、まだ登山を始めたばかりで山岳会にも加入しておらず、この事業には参加していない。(この直後に、地元山岳会に加入してこの本を購入した。)
編集者 日本山岳会越後支部
発行所 富士波出版社
発行日 1968年9月20日発行(昭和43年)
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おわりに
最近の図書では、下越山岳会の五十嵐篤雄さんの「飯豊道」、中条山の会の亀山東剛さんの「山の遊学道」が興味深く面白かった。それぞれ郷土の山に対する強い愛着と、飽くなき挑戦に感服し羨ましく思った。
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