つよがり

どうしよう。
うち、なんでこんな弱いんだ。

真名美さんともめた。
海洋センターの所長さんなんだけど、話がかみあわない。
電話もできない。うち、研究できるのかな？

うちに失礼があったりとか、なんかいろいろ原因があって、
きっとそれはうちが全部悪いんだろう。
もうそういうことでいいと思った。

だってこんなところでへこたれるわけにはいかないんだよ。

何のために院に行ってるの？
何のためにがんばってるの？
何のために小笠原に行くの？
何のために･･･。

何のためにここから離れるの？

だからへこたれちゃだめなんだよ。
泣いてちゃだめなんだよ。

なんでこんな理不尽なことで怒られなきゃいけないの？って
思って、すごくむかついたけど、でもほんとはすごく
すごくすごく、くやしかった。

なんでいまさらこんなことになるんだよ？
見えないって、遠いって、怖い。
がんばっているのか、いないのか、
何をしてるのか、どう思っているのか、
全然わからないんだもんね。

ああ、きついなあ。

普通になんだよ、ありえないよって周りに言って、
もう調査も単独でやるよって思った。
そう言った。

でもそんなのつよがりだよ。

ほんとはすごいくやしくて、どうしたらいいかわからなくて、
不安で怖くてしょうがないよ。
誰か助けてよ･･･。

大丈夫って言って。話聞くよって言って。
手握ってて。そばで笑ってて。

そういう人がいたらいいのに。
でも１人でがんばるって決めたから、泣いてる場合じゃない。
がんばらなくちゃ。
あと少し、あと少し・・・。